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『痛みの悩み相談室』~「肉離れ」は、どんな病気?(監修/井尻慎一郎先生)

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肉離れは、急に走る動作やスポーツなどで、筋肉繊維や筋膜が部分的に断裂する状態です。歩いている時や運動時に、突然、大腿や下腿に激痛あるいは鈍痛を感じます。いきなり歩けないほどの痛みに見舞われることもあれば、徐々に痛みがひどくなるケースもあります。体を動かす際に行うウオーミングアップが足りなかった時や、急に走り出した時によく生じます。多いのは大腿の前面にある大腿四頭筋、後面のハムストリング筋、下腿後面の下腿三頭筋などです。

長時間のきついテーピングは危険

急性期には、「RICE療法」を行います。R(rest)は安静、I(icing)は冷やす、C(compresion)は圧迫、E(elevation)は挙上を意味し、まずは安静にします。また、肉離れを発症すると内出血を起こすので、最初の日は冷やします。氷水を入れたナイロン袋を使えば、上手に冷やすことができます。10~20分冷やしたら、30~40分は凍傷を防ぐために冷やすのをやめます。ケガの程度にもよりますが、できればこれを1~2日繰り返します。そして、患部の腫れや内出血を最小限に抑えるため、テープなどを巻いて圧迫します。しかし、強く締めつけすぎると血行不良を生じるので、長時間のきついテーピングは危険です。

落ち着いたら整形外科クリニックを受診し、骨折がないかどうか調べてもらいます。そして、湿布や消炎鎮痛薬の経口薬をもらい、リハビリなどの治療を受けましょう。徐々に動かしていくストレッチが大切です。

監修/井尻慎一郎先
井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。
https://ijiri.jp

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