SWITCH 2転売対策をあざ笑う“匂わせ箱売り”錬金術「中身が入っている場合があります」

フリマサイトに並ぶ「Switch 2」
6月5日、任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」がついに発売された。 

7.9インチのフルHDディスプレイ、進化したJoy-Con、新世代のNVIDIAチップを搭載し、性能面では大幅な進化を遂げたとされる本機は、ファンの期待を一身に背負って華々しく市場に登場した――はずだった。 

しかしその裏で、毎度おなじみである“もうひとつの戦場”も幕を開けた。ご存じ「転売祭り」である。 

任天堂は転売に対して、事前対策に力を入れていた。

My Nintendo Storeでは本人確認を伴う抽選販売を導入し、購入にはアカウント連携や事前登録が必要。フリマアプリ各社とも連携を図り、不正出品の監視強化を進めた。 

しかし、やはりと言うべきか、発売直後からメルカリは「Switch 2」が続々と高額出品され、定価の約4万9980円を大きく上回る7万円前後で出品されている。 

中でも注目を集めているのが、“箱のみ出品”だ。 

5万3000円の「Switch 2」箱が売り切れに! 

とある出品者は商品説明欄に、
「Nintendo Switch 2(国内版)マリオカートワールドセットの箱です。フリマサイトのガイドラインに抵触しないよう、箱しか出品いたしません。中身が入っている場合がありますが、その際は各自で責任をもって処分してください」
 と記載していた。

この「箱のみ出品」は5万3000円で出されており、暗黙の了解として「本体も一緒に来るかもしれない」という匂わせが行間に漂う。もはやこれは販売というより、一種の心理戦だ。

なにより驚きなのが、この出品が“売れている”ということだろう。

こうした手口は、過去にもPS5やiPhoneなどの人気ガジェットで見られるもので、フリマアプリの規約違反をかいくぐる定番テクとして知られている。

任天堂やフリマ運営が対策を講じても、それをすり抜ける創意工夫(?)は止まらない。

「正規価格で買う」ことが、ますます困難になる現代。転売問題は“ゲーム”というより、社会の写し鏡なのかもしれない。

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