WHOに機能低下の懸念「パンデミック条約」採択のウラに中国の圧力

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5月20日、世界保健機関(WHO)の年次総会がスイス・ジュネーブで開かれ、感染症の世界的大流行への備えや対策の強化を盛り込んだ国際ルール「パンデミック条約」が採択された。

新型コロナ禍の教訓を踏まえ、ワクチンなど医薬品製造の技術や知識の途上国への移転促進、パンデミックの恐れのある病原体情報の迅速な共有などが盛り込まれた。

「米国のトランプ大統領は、WHOから脱退する大統領令に署名しています。感染症対策に国境はない。米国抜きで対策を進めても実効性はあまり期待できない上、米国が抜けるとWHOの分担金拠出国1位は中国になる。
新型コロナ禍で情報を隠蔽し、世界にウイルスをまき散らしたと指摘されている中国の影響力が増すことで、WHOの機能低下も心配されます」(全国紙厚生労働省担当記者)

実際、新型コロナ禍ではテドロス事務局長は中国寄りの発言を繰り返した。

中国が情報を隠したため、各国は対策が後手に回ったにもかかわらず、テドロス氏は「中国が迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する」と絶賛していたのだ。

テドロス事務局長「世界の保健衛生の歴史の中で最も重要な成果」

日本や欧米諸国などが台湾の総会へのオブザーバー参加を求めても、中国は妨害し、WHOは中国の顔色を窺うばかり。今回も台湾の参加は認められなかった。

中国外務省は「(台湾との)意思疎通・協力ルートは十分かつ円滑なものであり、台湾人民の健康の権利は保障されている。(各国が批判する)『国際防疫システムの穴』とはまったくの政治的ウソである」との談話を出す始末だ。

テドロス氏は条約の採択を受けて「この条約はWHOと世界の保健衛生の歴史の中で最も重要な成果の一つとなるだろう」と喜んだ。

条約採択と米国の脱退見込みで、テドロス氏は笑いが止まらないようだ。

「週刊実話」6月19日号より

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