ランドクルーザーの盗難被害が約2倍に! 軽トラも標的になった自動車窃盗の最新手口

画像はAIで生成したイメージ
自動車盗難件数が2022年から急増し、高級車だけではなく軽自動車や軽トラックまで狙われている。

全国的に自動車窃盗の被害件数は3年連続で増加、警察庁によると’24年は全国で6080件発生している。

狙われているのは高級車で、警察庁によると’24年で最も盗まれた車種はトヨタ「ランドクルーザー」(1064台)で、前年(643台)比の2倍近く増えている。

次いで「プリウス」(539台)、「アルファード」(488台)と上位5車種はすべてトヨタ車。一方で最近は軽トラックのダイハツ「ハイゼット」、スズキ「キャリイ」など中古車の盗難件数も増加しているという。

被害は埼玉や千葉、神奈川などの関東地方に集中しているが、トヨタ自動車のお膝元である愛知県の被害が866台と全国トップだ。

愛知での被害件数が多いのは「利便性の高さ」から

警察関係者は「愛知県はトヨタの高級車を保有する割合が高く、隣の静岡県も盗難車を海外に輸出する港への利便性の高さから被害が増えている」と指摘する。

近年はスマートキーの微弱電波を特殊な機器で拾って解錠する「リレーアタック」や、通信システムに不正アクセスしてドアを開ける「CANインベーダー」などの窃盗手口が横行していたが、最近は車が発する信号情報から鍵の情報を不正に入手し、電子的なスペアキーを作るという悪質な手口も広がりつつある。

「スマートキーを紛失した際に自動車メーカーが解錠する特殊な装置を改造したゲームボーイのような機器が、500万円前後と高額で闇取引され、日本で被害が出始めています」(セキュリティー会社)

窃盗団によって盗まれた車は部品に解体され、中東経由で欧米に輸出されている。

セキュリティー対策はすべきだが、狙われないように被害が多い車種を避けたほうが賢明かもしれない。

「週刊実話」6月19日号より

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