自動車産業再建のカギは高齢者向けスクーター? 超高齢化社会の移動方法を考える

高齢者向けバイクが起死回生の大ヒットになるかもしれない

少し郊外に行くと、今でも大きな音を出して走っているバイク集団を見かける。

北関東だと昔ながらのシートを大きくした改造車なんかも走ってるけど、確かに数は少なくなっているかもしれない。

バイクは小回りが利いて便利なんだけど、その半面、転倒したり、事故を起こしたときのダメージが大きい。

なので、あまり高齢者にはオススメできない。

ただ今後、超高齢化社会になって、みんな100歳まで生きるとなったら、問題は移動手段だと思うんだよ。

今でもシニア向けのバイクがあるけど、高齢者にもっと適したバイクを新たに開発するべきかもしれないね。

高齢者が安全に好きな所に行くためには、乗り物を進化させて、交通システムも変えていくしかないんだから。

例えば、家の中で座ってる椅子が動いて、そのまま外に出て走れるような電動スクーターとか開発できないかな。

いくつか行き先がプログラムされていて、「買い物」というボタンを押せば勝手にスーパーまで走ってくれる。

「病院」のボタンを押したら、かかりつけの医者の所に向かってくれて、移動中に体温も測れるとかね。

これなら病院に行くための介助役も必要ないし、巡回バスもいらなくなるよ。

これを日本の自動車メーカーやバイクメーカーが作れば、起死回生の大ヒットになるかもしれない。

日本の高齢化は世界で見ても進んでいるといわれているけど、アメリカや中国だって、数年後には同じような社会構造になる。

その需要を先読みして技術を磨いておけば、これから世界に売れる乗り物ができるかもしれないよ。

「週刊実話」6月19日号より

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。