東京23区の火葬料金が高止まり! 最も安いプランが9万円になったワケ

AIで生成したイメージ
東京23区の火葬料金が高止まりしている。

厚生労働省は火葬場の運営主体について「非営利性が確保されなければならない」と通達しているが、23区内で6カ所を運営する「東京博善」の親会社「広済堂ホールディングス」に厳しい目が向けられている。

全国の火葬場の約97%は市区町村などの公営だが、東京23区は全9施設のうち公営は2カ所、残りの7カ所のうち6施設を民間の東京博善が独占しているからだ。

「東京博善の創業者は牛鍋チェーンを創業した実業家です。明治後半に全国で寺院が運営する火葬場が自治体運営に転換されたんですが、東京は東京博善が火葬場を統合したことから民営の火葬場として残った。
1992年に印刷業の廣済堂が筆頭株主になったんですが、その後、TOB合戦が始まった。最終的に広済堂HD株は中国のラオックス傘下の『グローバルワーカー派遣』に売却、東京博善は中国資本傘下になりました」(経済ジャーナリスト)

売上倍増で役員報酬は1人8億円

東京の公営火葬場の一つである臨海斎場の火葬料は4万4000円。それに比べて、東京博善の最も安いプランは9万円で2倍以上。

ちなみに、全国的な火葬料金の平均は2万円で、東京博善は4倍以上になる。「東京23区の通常の火葬料金は’20年ごろまで約5万円だったが、東京博善は複数回値上げして現在9万円。’21年3月期には83億円だった売り上げは、’24年3月期に132億円。
厚労省は火葬場の運営主体は『原則として市町村等の地方公共団体でなければならず』としていますが、東京博善の運営団体は民間である上、中国資本傘下になってから値上げするなど営利主義に走っているんです」(冠婚葬祭ジャーナリスト)

多額の利益が出ているからか、広済堂HDの3人の役員報酬は計8億円近い。

「東京博善の東京23区での火葬場占有率は7割近いため、独断で価格を決定できる。料金を是正させるには東京都が条例などを定めて規制するしかない」(同)

物価高のご時世、三途の川を渡るのもカネ次第ということか。

「週刊実話」6月19日号より

【関連」】「証券口座乗っ取り事件」中国マフィアと国内犯罪集団“連携の闇”不正アクセスで売買額は3000億円超に ほか