阪神“外野手・サトテル”で高まる内紛の予感 球団創設90周年でも沈黙のOBたち

佐藤輝明(本人のインスタグラムより)
DH制の使えるセ・パ交流戦対策ではなかった。

阪神・藤川球児監督の選択肢は確実に広がったが、その起用法に批判的な声も少なくない。

「5月25日、敵地・バンテリンドームで迎えた中日戦試合前のスターティングメンバー発表で、『4番レフト、佐藤輝明』がアナウンスされた際、球場がざわつきました」(スポーツ紙記者)

これには中日ファンも驚きを隠せず、10分後にはネット検索ランキング入りしたほどだ。

佐藤の外野スタメンは3年ぶりだが、レフトを守ったのはプロ入り初。試合後、藤川監督は「打線の厚みというところの起用」と説明したが、次の試合の27日からはライトを守っていた森下翔太も動かし、「3番左翼・森下、4番右翼・佐藤」の布陣に変更した。

25日の試合開始前、佐藤がレフトでノックを受けていたのは本誌記者も目撃している。

定位置以外でのノックは藤川阪神“恒例の風景”ではあったが、まさか「外野手・佐藤」となるとは想定外だった。

「前川右京が一軍に戻ったら守るところがありません」

チーム関係者などの話を総合すると、ここまで代打で出場して来た新外国人のヘルナンデスをスタメンで起用するために佐藤を外野に回し、佐藤がレフトに不慣れなため、森下の守備位置も動かしたようだ。

「ヘルナンデスは初スタメンを果たした25日は快音を響かせましたが、その後はパッとしません。それでも三塁守備では貢献しています」(在阪記者)この新布陣に古参OBたちの反応はイマイチ。一塁・大山悠輔、三塁・佐藤の守備は「中心選手を内野の両サイドに」という前任監督の岡田彰布氏の方針があった。

もっとも佐藤が、その三塁守備で失策を量産してきたのは周知の事実で、前政権時代にも佐藤の外野専念論はあった。

藤川監督の決断は理に適っているが、こんな指摘も聞かれた。

「昨季ブレイクした前川右京が一軍に戻ったら守るところがありません」(同)

前川も岡田氏がレギュラーに引き上げた若手だ。

近年のチーム課題は失策の多さ。岡田氏は守備位置を固定することで責任感を植え付け、かつそこで積み上げてきたものを無駄にさせない方針だった。

柔軟にその日のベストを選択する“藤川流”も間違いではないが、球団創設90周年でもOB参画のイベントが少ないのはナゼか?

考え方の相違が内紛に発展しなければいいのだが…。

「週刊実話」6月19日号より

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