コメの次はノリ高騰で「おにぎり」贅沢品の時代到来 日本人がソウルフードを手放す日

AIで生成したイメージ
日本人のソウルフード・おにぎりが“高値の花”になる未来が訪れようとしている。 

近年、ありとあらゆるモノの価格が上がっているのは、全国民が実感するところだろう。特に、主食のコメは昨年から2倍に跳ね上がり、備蓄米が放出された。 

そのコメと相性抜群の海苔も、値上がり傾向にある。東京商工リサーチの調査によれば、海苔は海外での需要が高まっているが、2022年から2024年まで収穫量が減少。供給が追いつかず、業界全体で海苔の値上げが続いている。 

しかし、値上げに伴って売上は好調で、国内の主要海苔業者120社の昨年度売上高は、前年比15.4%増の2448億7600万円。利益に関しても35億2300万円と、前年比23.8%も増加している。 

まさにノリノリな海苔業界だが、値上げが消費者にとって痛いのは言うまでもない。 

コメが2倍にも高騰している情勢を踏まえると、おにぎり自体、これまでのように気軽には食べられなくなるというわけだ。 

すでに“国民のおにぎり離れ”は密かに進行していると言ってもいい。 

おにぎりが身近な理由にコンビニの存在があるのは言わずもがなだが、ここ最近は各社で値上げが相次いでいる。 

カネに困って日本人が食文化を投げ出す時代に? 

コンビニでおにぎりを手に取り、「最近高くなった」「小さくなった」と感じる消費者も少なくないだろう。

コンビニ側も、コストを抑えるべく“海苔なし”のおにぎりを多数ラインナップするなど、価格のバランスに苦慮していることがうかがえる。

しかし、最近ではかつてのように、100円~120円ほどで買えるおにぎりがほぼなくなっているのが現実だ。

コンビニ大手3社を見ても、鮭・ツナマヨ・昆布といったオーソドックスなおにぎりさえ、今や150円を超える。

さらに追い打ちをかけるのが、収まる気配のない円安と、日本経済の衰退の問題だ。

「経済の低迷で輸入業者が予算を割けない中、円安で日本の購買力が低下したことにより、海外のモノを仕入れられない“買い負け”現象が各分野で起こっています。
代表的なのは水産業。他国がタコやサーモンを高値で買い付けるので、カネのない日本には回って来づらくなっています」(エコノミスト)

先述のように、海苔は海外需要の高まりもあって高騰している。日本の“買い負け”は起きやすい状況のため、粗悪品や少量しか回って来ずさらなる高騰を招く悪循環は目前だ。

ここにコメの高騰が合わされば、おにぎり発祥の国にもかかわらず、庶民が手に取れない惨事も充分にあり得る。

一方でパンを見ると、同じ価格帯やより手頃な値段で、おにぎりよりボリュームのある商品がコンビニ・スーパーで多数展開されている。

庶民がこちらに流れていけば、日本人自らが米食文化を蔑ろにするという悲劇になるだろう。

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