社会

忍び寄る地上げが“終の棲家”を奪う~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

(C)週刊実話Web

昨今、分譲マンションのスラム化が社会問題になりつつある。

マンションの老朽化と同時並行で、年金暮らしの区分所有者が増え、費用負担を伴う改修工事や建て替えに対し、合意形成が難しくなってきているのだ。

「リーマンショックまでは、いわゆる〝住宅すごろく〟が成立していたのです。若夫婦に子供ができて、戸建て住宅に移転する。その後、再び若夫婦が入るといった新陳代謝が成立していたのです。が、今では高齢者が終の棲家にするので、大規模修繕などにお金をかけられず、管理組合と合意しないケースが増えているのです」(不動産アナリスト)

いつの間にか“終の棲家”から追い出す“地上げ”の怖さ

そこに付け込むのが地上げ屋だ。

「手口はソフトです。まず、賃貸に出している所有者と個別に交渉して市価より高額で買い取り、普通決議を確実に通せる数を確保して管理組合のイニシアチブを取る。次に、修繕積立金を数倍にするという無茶苦茶な提案を通す。当然、年金生活者の管理費滞納が始まるので、ここで強めの督促をして売却をやんわりうながすのです」(同)

これからは入居者に注意を払うことも必要だ。

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