熱闘の大相撲夏場所 大関大の里の前に立ちはだかる「最速綱取り」への高いハードル

相撲のぼり (C)週刊実話Web
果たして、新横綱は誕生するのか。

すぐそばの隅田川の川面を渡る風が清々しさを増す大相撲夏場所が5月11日から東京・両国国技館で始まった。

今場所も見どころ満載だが、目玉はやはり先場所の覇者・大関大の里(24)の綱取りだ。

まだ入門して13場所目。今場所、優勝、もしくはそれに準ずる成績を挙げて綱取りに成功すれば、昭和以降では羽黒山、照国の初土俵から16場所を抜いて最速、という歴史的快挙になる。

大の里は「世間の声は聞こえてくるが、あくまでも自分のペースで。(余計なことは考えず)目の前の一番、一番にがんばりたい」と冷静だが、これまで数々の記録を塗り替えてきているだけに一気に駆け上がってしまいそうな気もしないではない。

ただし、不安材料はある。

優勝した翌場所は、過去2回とも9勝6敗と2ケタの勝ち星に届かず、ファンを失望させているのだ。

「大の里はまだ入門して日が浅いですからね。プロ仕様の体になり切っていない。前回の優勝のときもそうでしたが、場所後の巡業で体調を崩し、それが回復しないまま場所を迎え、失速してしまいました」(大相撲担当記者)

豊昇龍にコテンパン

今回も体調不良で5月1日の二所ノ関一門の連合稽古を欠席している。

翌日、横綱審議委員会の稽古総見にぶっつけ本番で臨んだが、豊昇龍にコテンパンにやられた。

その後、出稽古や、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の胸を借りて大急ぎで仕上げたが、心配のタネは尽きない。

また、横審の出方も気になる。初場所後、豊昇龍が横綱に昇進した際、横審はたった10分足らずの審議で、それも何一つ注文をつけずにゴーサインを出した。

その結果、豊昇龍は先場所を途中休場しただけに、今度は必要以上に慎重になることが予想される。

「優勝すれば、文句なしに昇進を認めるでしょうが、準優勝だった場合、“待った”をかける可能性が高い。大の里には豊昇龍以上の高いハードルが設定されています」(相撲協会関係者)

夏場所6日目の5月16日時点で、大の里は無傷の6連勝。このままの調子をキープしてほしい。

「週刊実話」5月29日号より

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