6月都議選は“天下分け目の前哨戦” 最大の焦点は最大会派の自民党

石破茂 (C)週刊実話Web
6月22日投開票の東京都議選まで約1カ月となった。選挙後には国政の参院選挙が控えている。

天下分け目の前哨戦と位置づけられる都議選だけに、各党とも異例の力の入れようだ。

政治アナリストが都議選のポイントを解説する。

「最大の焦点は都議会最大会派の自民党です。国会議員のみならず、都議会自民党にも波及した『裏金問題』の影響がどう出るか。
また、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会(都民ファ)が会派第2党を堅守し、自民党、公明党、都民ファで過半数を維持できるのか。
そして『手取りを増やす』で昨年の衆院選以来、大躍進を続ける国民民主党、昨年の都知事選次点の石丸伸二・前広島県安芸高田市長の石丸新党が議席をどれほど取るのかも見ものです」

都議会議員の定数は127議席。最大会派の自民党は現在30議席、第2会派の都民ファは26議席、公明党23議席、共産党19議席、立憲民主党13議席と続く。

政治資金裏金問題が発覚した自民党は、国政と合わせて大逆風の真っ只中だ。

今年1月、東京地検特捜部は都議会自民党の会計担当職員を政治資金収支報告書に過小記載(約3500万円)したとして略式起訴した。

自民都議らの個別立件は額が少額だったことなどから見送られたが、都民からは批判の嵐。今回の都議選では自民が大幅に議席を減らすとみられている。

自民は歴史的大敗との観測も

「自民は現職23、新人16など41人を擁立するが、歴史的大敗を喫した’17年の23議席前後になるともささやかれ、執行部は防戦一方だ。都議選で大ダメージを受ければ、直後の参院選もボロ負け必至」(同)

都民ファも約40人を公認。小池都政の安定した運営を維持するためにも現有議席26は確保したいところ。

「国政でイケイケの国民民主党は都議選に16人を擁立する。玉木雄一郎代表と小池都知事は太いパイプがあり、都議選、その後も連携するでしょう。
激戦区の一つ港区では都民ファは一度現職を擁立したが、国民が新人弁護士を担ぎ出したため、現職が降りるなどしている。前回の都議選で国民からは4人立候補したが、全滅した。今回は大躍進する可能性が高い」(同)

立憲は21人を公認し、現13議席を維持できるか。公明は22人を擁立し全員当選を目指している。

そして、台風の目となり得るのか、石丸新党『再生の道』は1000人以上の公募者の中から40人前後を擁立する。

「石丸氏が出馬した都知事選、斉藤元彦知事の失職に伴う兵庫県知事選は、いずれもネット選挙として注目を集めた。都議選でどこまで得票に反映されるかも焦点になる」(同)

6月の梅雨時、首都は熱い戦いを繰り広げそうだ。

「週刊実話」5月29日号より

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