今期の覇権ドラマは『続・続・最後から二番目の恋』なのか?

かつては視聴率がテレビ番組の評価基準の中心だったが、今やTVerのような見逃し配信サービスがその牙城を崩しつつある。
TVerの登録者数とリアルタイム視聴率のデータを比較すると、視聴者の視聴スタイルが大きく変化していることが明らかだ。
視聴率とTVer登録者数の乖離
『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)
TVer登録者数: 約116.8万件
平均視聴率: 約8.0%
『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)
TVer登録者数: 約113.3万件
平均視聴率: 約5.9%
『キャスター』(TBS系)
TVer登録者数: 約85.1万件
平均視聴率: 約11.5%
『なんで私が神説教』(日本テレビ系)
TVer登録者数: 約69.3万件
平均視聴率: 約5.4%
『夫よ、死んでくれないか』(テレビ東京系)
TVer登録者数: 約69.4万件
平均視聴率: 不明
例えば、『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』はTVerでの登録者数が約113万件に達している一方で、リアルタイム視聴率は約5.9%と控えめだ。
これは、視聴者が放送時間に縛られない自由な視聴スタイルを選んでいることを示している。
一方、『続・続・最後から二番目の恋』は、シリーズファンの支持を背景に視聴率(約8.0%)とTVer登録者数(約116.8万件)の両方で高い数値を記録。『キャスター』は社会派ドラマとして、視聴率11.5%とTVerの85.1万件の登録者数を両立する成功例だ。
広告費の変遷と未来のメディア戦略
この視聴スタイルの変化により、広告主も従来の視聴率依存から、視聴者の接触ポイントを重視する戦略にシフトしている。
「ターゲティング広告の拡大」
TVerのようなプラットフォームは、視聴履歴や興味関心に基づく精密な広告を配信できる。
「視聴時間に応じた課金」
リアルタイムよりも視聴時間が長くなりやすいTVerは、より多くの広告機会を提供している。
「データ活用の高度化」
詳細な視聴データに基づくROIの向上が期待される。
TVerの決算データから見る広告市場の成長
さらに、TVer社は2024年度の自社広告の売上高が前年同期比221%に達したと発表した。
具体的な金額は非公表だが、広告を出稿した企業数は2138社に達し、前年の1139社からほぼ2倍に拡大している。
また、電通がまとめた「テレビメディア関連動画広告」の市場規模は、令和6年で653億円に達し、前年の443億円から大幅に増加。これは、ドラマやバラエティに加え、パリ五輪などのスポーツコンテンツが大きく寄与したとされている。
B2B2CからD2Cへの変化
さらに、TVerはこれまでのB2B2Cモデルから、より視聴者に直接アプローチするD2C(Direct to Consumer)モデルへのシフトも進めている。
これには、視聴者のデータを活用したパーソナライズド広告や、直接的な視聴者エンゲージメントの強化が含まれる。
具体的には、広告主が視聴者の興味関心や視聴履歴に基づき、細かくターゲティングできる仕組みが導入されており、これが売上高の急増を支える要因に。
同社広報も、「この機能を利用する広告代理店が急増している」とコメントしており、広告市場におけるTVerの存在感がますます強まっていることがわかる。
視聴率至上主義の時代が終わりを迎えつつある中で、広告主やメディア各社は新たな視聴スタイルに適応する必要があるだろう。
視聴者は「いつでも、どこでも」視聴できる利便性を求め、それに応えるためのデータドリブンな広告戦略が今後の成長の鍵となる。
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