ダウンタウンvs令和ロマン エンタメ業界に「覇権の終焉と新たな挑戦」の大転換期

ダウンタウン (C)週刊実話Web
読売テレビが『ダウンタウンDX』の終了を発表したのは4月21日のこと。最終回の放送は6月26日だと明かされている。

浜田雅功は、5月2日深夜の『ごぶごぶラジオ』(MBSラジオ)で復帰。一方で、相方の松本人志が昨年1月から芸能活動を休止しているのはご存じのことだろう。 

2人は『ダウンタウンチャンネル(仮)』という独自のプラットフォームを制作する構想を明かし、今年7月にもスタートする予定だとしている。 

『ダウンタウンチャンネル(仮)』の可能性

吉本興業は、2021年4月に『FANY』を立ち上げ、ライブ配信やファンクラブなど、オンラインコンテンツを統合したプラットフォームを提供している。  

『FANY』はタレント、劇場、コンテンツ制作、配信基盤など、エンタメビジネスに必要な要素を自社で一貫して保有。『ダウンタウンチャンネル(仮)』に『FANY』や、その仕組みが関わってくる可能性は高い。 

ダウンタウンはかつてテレビの覇権を握り、バラエティー番組の顔として君臨してきた。その影響力は計り知れず、日本のテレビ文化に欠かせない存在だった。 

しかし、『ダウンタウンチャンネル(仮)』は、従来のメディアのような広告型ビジネスではなく、ファンとの直接的な繋がりを目指す新たな戦略を採っている。 

ここで対照的なのが、次世代のお笑い界で“顔役”だった令和ロマンだ。 

もとから“違う領域”にいた令和ロマン 

令和ロマンはファンと距離の近いビジネスモデルを採用し、SNSや動画プラットフォームを駆使してエンタメを発信。テレビでの覇権にはこだわらず、若者を中心に支持を集めてきた。 

しかし、そんな中でトラブルが発生。高比良くるまがオンラインカジノ騒動で、吉本興業を退所することに。 

その原因となったのは、吉本の許可なく謝罪を行ったこと。

もともとファンとの距離が近かったが故に、直接発信できる場所での言動で、このような結末を迎えてしまったのは皮肉な話だ。 

一連の流れを受け、ダウンタウンは『ダウンタウンチャンネル(仮)』で、新世代を代表する令和ロマンに対して、殴り込みをかける形になった。 

吉本に残った松井ケムリの立ち位置は? 

両者のファン層は異なるが、今後のアプローチには共通点がある。

ダウンタウンは伝統的なメディアから新しい領域へと進出し、新たな風を吹き込もうとしている。

一方で令和ロマンは、その自由なスタイルを貫きながらも、既存メディアとの対立を避け、独自の道を歩んでいく。

動きが気になるのは、吉本に残った松井ケムリの動きだろう。

松井の父親は大和証券の副会長。福岡にある「よしもと福岡劇場」のネーミングライツは大和証券が保有しており、2023年3月31日に「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」から「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」に変更されている。

この関係性があるので松井が吉本に残ったのかは不明だが、ネーミングライツが切れた時、松井が吉本から退所する可能性もあるだろう。

いずれにせよ、この「新旧覇権争い」がエンタメ業界の今後を占う重要な戦いになることは間違いない。

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