乃木坂46・井上和の写真集「初動9.4万部」で爆死論! 時代に揺れる“坂道ブランド”

しかし、現代のアイドルビジネスはすでに大きく変化しており、D2C(Direct to Consumer)の台頭や、新自由主義的な市場構造の中で、従来の“売上=成功”という評価軸が揺らいでいるのが実情だ。
期待と現実のギャップ
井上の写真集はイタリアでの撮り下ろし、美麗なビジュアル、豪華仕様と「ザ・坂道写真集」とも言える内容だった。
にもかかわらず、「期待より売れなかった」「爆死では?」という声が上がる背景には、過去の実績との比較がある。
たとえば、白石麻衣は初動約10万部で累計30万部超、齋藤飛鳥は初動9万部で累計20万部以上という数字を出している。
そうした“黄金期メンバー”の実績と比較されることで、井上の数字が過小評価されてしまっている側面があるだろう。
D2C時代のアイドルビジネス
ここで注目したいのは、現代の写真集市場を取り巻く構造の変化である。
D2Cとは、中間業者を通さずにタレントや企業がファン・消費者と直接つながりながら商品を届ける販売スタイルのことを指す。
以前は「出版社→書店→ファン」という流れだったが、現在は「タレント→EC→ファン」といったダイレクトな接続が主流になってきている。
この変化によって、「何部売れたか」という数量よりも、「ファンとどれだけ濃密な関係を築けているか」という質が重視されるようになった。
新自由主義とアイドル業界の変容
また、芸能界においても新自由主義的な構造が強まりつつある。
新自由主義の特徴は、自己責任の原則、自己プロデュース能力の重視、市場原理による競争、そして公的支援の縮小といったものだ。
これがアイドル業界にも浸透しつつあり、「売れなければ本人の責任」といった空気感が強まっている。
井上も、Xフォロワー数が約13.5万人であるにもかかわらず、初版20万部を発行したという事実自体が、旧来的な“マス向けモデル”の名残といえる。
新興アイドルの成功事例
こうした時代の変化の中で台頭しているのが、D2C型の新興アイドルグループである。
現在の女性アイドルグループの中には、写真集という形式にこだわらず、オンラインくじや会員制EC、デジタルZINEや限定フォトブック、さらには配信連動イベントやリアルチェキ会といった手法で結果を出している。
どの手法も共通しているのは、「ファンとの接続性」が強く、少数のコアファンから高い単価で収益を得ることに成功している点である。
坂道グループの転換点
このような状況をふまえると、井上の写真集に関する議論は、坂道グループ全体にとっての転換点を示している。
今後、坂道が進むべき方向性としては、マスマーケットから“推し消費モデル”への転換、出版社依存から自社ECやD2C型への移行、そして売上部数という物差しから、ファンとの関係性やエンゲージメントといった新しい指標への移行が挙げられるだろう。
9.4万部は成功の証
結論として、9.4万部という数字は“失敗”では決してない。むしろ、D2C時代におけるマスモデルの限界を示した象徴的な事例である。
坂道写真集ビジネスは、坂道写真集ビジネスは、今こそ“誰にどう届けるか”を再設計するタイミングに差し掛かっている。
【関連】「坂道以降」の終焉と“推し”でつながる新世代アイドルの勃興 ほか
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