高野連が頭を抱える暑さ対策…“高校野球の風物詩”が存続危機

AIで生成したイメージ
タイブレーク制、低反発の新金属バット、朝夕の2部制、投手の2段モーション解禁、投球制限…。「夏の甲子園大会」の光景がまた一つ変わろうとしている。

4月18日、日本高野連が運営委員会を開き、今夏の甲子園大会(8月5日開幕)から「試合前のシートノック時間」を変更することを決めた。

これまでは対戦する両校に7分間ずつが与えられていたが、5分間に短縮。シートノック自体を行うかどうかも、各チームが選べることにした。

「暑さ対策のためです。試合前に選手たちがバテてしまったら、元も子もありません」(野球担当記者)

高野連は暑さ対策に万全を期すため、栄養士や生理学などの専門家も招き、話し合いを積み重ねてきた。

球児を守るための対策なのは分かるが、甲子園大会の試合前ノックは“観客を引きつけるショー”でもある。

「鍛え抜かれた球児たちの軽快でスピーディーな捕球と送球は、お金を払ってでも見る価値があります。控え選手にとっても、甲子園のグラウンドで練習できる唯一の機会にもなっていました」(スポーツライター・飯山満氏)

ドーム球場に会場を移す案も

また、開会式も史上初めて夕方4時のスタートに変更。初日第1試合の開始時間は午後5時半となる。

その対戦2校を決める抽選を8月1日にオンラインで開催し、出場校の代表者がリモート参加する。

そのほかの試合については、3日に例年通り各校のキャプテンがくじを引く方法で行われる。

抽選の日程を分けることについて高野連は、開幕試合の抽選を3日に行った場合、大会が始まる5日まで中1日になることから、甲子園球場に応援に駆けつける学校や地域の人たちに配慮したとしている。

「高野連は暑さ対策に頭を抱えています。ナイトゲームを増やすか、2回戦からどこかのドーム球場にいったん会場を移して、準々決勝あたりからまた甲子園に戻ってくるとか、大会運営を根本的に見直さなければならないかも。それも『夏の風物詩』を壊すことになりますが…」(同)

夏の甲子園大会は、存続の危機に晒されている。

「週刊実話」5月22日号より