14歳の家出少女を妊娠させたのは警察官だった…怒り心頭の父親が当時を回顧「警察側に負い目があるようでした」

Bは「結婚すればいいと思っていたから」との認識

「妊娠が分かったのはA子が戻って来て3カ月ほどたった時です。A子に生理が来ている様子がないのを不審に思った妻が『子宮がんの予防注射を受ける』という口実で病院に連れて行き、病院側に事情を話して尿検査をしてもらい判明しました。本人に確認すると、(避妊については)Bに任せていたため、よく分からないということでした」

怒り心頭となった稔さんは、A子からBに連絡を取らせ確認したところ「(妊娠したら)結婚すればいいと思っていたから(避妊しなかった)」という返事が返って来たという。

「呆れてモノが言えませんでした」と語る稔さんは、Bでは話にならないと思いその上司に相談。ここで初めてBの犯罪が警察組織に発覚したが、上司は不祥事を謝罪しつつも身内のBを庇ったという。

「話を聞くと、どうやらBの離婚について警察側に負い目があるようでした。そのため、国家権力と争っても時間の無駄だと思いました」

そう考えた稔さんはBに示談を持ち掛け、Bが「慰謝料」という名目で多額のお金を支払うことで一応の決着が着いたという。

「もちろんA子には中絶させました。妊娠・中絶は14歳の娘が背負うには重すぎる現実でしたが、動揺するA子に妻が親身に寄り添ったことで本人も諦めがついたようです。義理の母娘の関係が良い方向に向かったのが、不幸中の幸いと言えるかも知れません」

事件後、稔さん一家は「A子ちゃんのためにも新しい場所で再出発しましょう」という妻の提案で転居。現在はA子さんも転校先の中学に馴染んだようで親子3人平和に暮らしているという。

取材・文/清水芽々

【関連】16歳の清楚系女子高生が歪んだ性癖をサポート 闇深いプチバイトで「10万円くらい稼ぎました」 ほか

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。