森永卓郎さん“コレクター”としての顔 人生を懸けて集めたお宝は13万点超「100年後に世界文化遺産になるかも」

 

東京国立博物館と肩を並べる収蔵数

「玩具コレクターの北原照久さんとは、しょっちゅうニアミスしていました。彼は倉庫の在庫まで根こそぎ買う。店主に『この間、北原さんが来て全部持ってっちゃったよ』と何度も言われました(笑)。しかも、彼が買ったものは後々に値が上がるんですよ」

食玩の元祖ともいえるグリコのおまけは、約1万点ほど収集しており、グリコ本社の江崎記念館にも約4000点しか保管されていないため、まさに日本一のコレクターだ。

グリコのおまけ。昭和20年代後半までは木製(写真)が多かったが、30年代に入るとセルロイド製、40年代はプラスチック製となっていった。
森永さんは「グリコのおまけは時代を映す鏡」だと話してくれた。

「戦時中は戦闘機や戦車ばかり。戦後は花や万国旗など、平和をテーマにしたおまけが多くなります。高度成長期はテレビや冷蔵庫など家電。昭和50年代から男児向けは宇宙船などのSF系、女児向けはメルヘンチックなおもちゃが中心になります」

年を重ねても森永さんの収集欲は衰えることなく、コーラの空き缶から有名人のサインまで、さまざまなグッズを収集している。

その数は13万点超に及び、東京国立博物館の収蔵数と肩を並べるほどだという。

私設博物館『B宝館』の「B」とは「ビンボーでおバカだけどビューティフル」の意味。森永さんは「100年後には世界文化遺産に登録されるかもしれない」と目を輝かせていた。

『緊急出版 森永卓郎 絶体絶命の日本を救う最後の提言』
緊急出版 森永卓郎 絶体絶命の日本を救う最後の提言
2025年4月25日(金)発売
価格1650円(税込)/電子書籍版1550円(税込)

森永卓郎

1957年7月12日生まれ。東京都出身。経済アナリスト。 1980年に東京大学経済学部を卒業後、 日本専売公社(現在のJT)に入社。経済企画庁、 UFJ総合研究所(現在の三菱UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て、 2006年から獨協大学経済学部教授。 執筆のほか、テレビ、ラジオ、講演でも人気を博す。 2023年12月にステージ4のがん告知を受け、 闘病しながら活動を続けていたが、2025年1月28日死去。