ドアの向こうに“死”がいた──「孤独死」全国で7万6000人超…気づけなかった隣人たち

画像はAIで生成したイメージ
誰にも看取られずに死んでいく“孤独死”“孤立死”が社会問題になって久しい。

警察庁の発表によると、昨年1年間に自宅で亡くなった一人暮らしの人は、全国で7万6020人。このうち死後8日以上経過して見つかった人は、2万1856人に上ることが明らかになった。

「年代別では65歳以上の高齢者が5万8044人で、8割近くを占めました」(社会部記者)

芸能界でも“孤独死”は無縁ではない。

タレントの飯島愛さん、国際女優の島田陽子さん、「しば漬け食べたい」のCMで脚光を浴びた山口美江さん、映画『男はつらいよ』シリーズで2度のマドンナ役を演じた大原麗子さん、舞台俳優として活躍した藤木孝さんらが孤独死を遂げている。

65歳未満の現役世代の割合は47.5%

孤独死は独居老人が亡くなった場合のイメージが強いが、第9回孤独死現状リポート(日本少額短期保険協会)によると、死亡時の平均年齢は62.8歳で、65歳未満の現役世代の割合は47.5%だった。

また、孤独死が発見されるまで掛かった日数は、3日以内が38.1%。4~14日が27.9%。3日以内の早期発見は、男性より女性の方が約7%高かいことがわかっている。

「これは女性の方が周囲や知人などと継続的な人付き合いをしているため、連絡が取れなくなった場合、あまり時間を置かず気付かれるからです。男性は社会の中で孤立している人が比較的多いため、孤独死を発見されにくい傾向があります。
女優の島田陽子さんが亡くなった際は、一時、遺体の引き取り手がいなかったんです。結局、元マネージャーとなったわけですが、通常、誰も引き取り手がいない場合は自治体が火葬し、無縁仏になります」(同)

警察庁が発表した冒頭の“孤独死”統計では、7万6020人のうち、自宅で死亡した一人暮らしの人数は、東京が1万372人でダントツの1位、2位は大阪6983人、3位は神奈川4968人となっている。

演歌のフレーズにありそうな、都会の片隅で独り寂しく死んでいく…。人との関わり合いが如何に大切か、改めて考えさせられる。

「週刊実話」5月8・15日号より

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