“最も賜杯に嫌われた男”高安が報道陣にもモテモテ 完売の夏場所で目指す10度目の正直

相撲のぼり(C)週刊実話Web
今や、横綱、大関陣も顔負けの人気者だ。大相撲春巡業も打ち上げ目前だが、どこに行っても高安(35)への“がんばれコール”が鳴り止まない。

大の里(24)の3回目の優勝で終わった春場所は、異例の盛り上がりだった。それを支えた1人が高安だ。

大の里との優勝決定戦に敗れて9度目の優勝チャンスを逃し、“最も賜杯に嫌われた男”というありがたくない異名を不動のものにしたが、その土俵一途の飾らない人柄はファンのハートをとらえて離さなかった。

「『勝って驕らず、負けて腐らず』と言いますが、まさに高安がそう。取組後の談話も実直そのもの。報道陣に大モテです。例えば、春場所9日目、幕内の勝ち越し第1号になったときも『いま、相撲の醍醐味を味わっています』としみじみとした口調で話し、翌日のスポーツ新聞に大きく取り上げられた。報道陣の輪が最も大きいのが高安なんです」(大相撲担当記者)

春場所、あれだけ大活躍しながら春巡業前半、急性腰痛症で休場するアクシデントに見舞われた高安。巡業に合流したのは、4月12日の神奈川県藤沢市巡業から。

さっそく報道陣に取り囲まれて「(優勝を逃して)そりゃあ、悔しい気持ちはあります。でも(優勝決定戦の)1時間後には晴れ晴れとした気持ちだった。優勝はできなかったけど、2ケタ勝利という目標以上の成績を残せましたから。来場所も注目される相撲を取りたいですね」と明るく話していた。

藤沢市巡業でも準優勝

ただ、気持ちは切り換えられても、賜杯に嫌われた男からは逃れられないようだ。

この藤沢市巡業で行われた幕内上位16人によるトーナメントでは、2回戦で因縁の大の里に勝って決勝戦まで進出したが、あと一歩というところで豊昇龍に敗れてしまい、またしても準優勝に終わった。

「すでに5月11日から東京・両国国技館で始まる夏場所の入場券は完売で、相撲人気は天井知らず。注目は大の里の綱取りだが、高安のあくなき賜杯挑戦も見どころです」(協会関係者)

果たして、高安の10度目の正直はなるか。

「週刊実話」5月8・15日号より

【関連】大の里、史上最速の綱取りに課題山積み 元力士は「精神面の強化が早急な課題」と指摘 ほか