警察官を語る“トクリュウ”増加中 若年層もターゲットでアップデートが必要なステート

AIで生成したイメージ
昨年1年間に摘発された匿名・流動型犯罪グループ、通称「トクリュウ」の容疑者が計1万105人に上ることが警察庁のまとめで分かった。

同時期に摘発された暴力団構成員などは過去最少の8249人で、トクリュウの犯罪人数が暴力団員を上回った形だ。

「トクリュウはSNSなどを通じて犯罪ごとに離合集散を繰り返す、アメーバのような犯罪ネットワークを指します。SNSを悪用した昨年の特殊詐欺被害総額は、前年の2倍を超える約2000億円。中でも、警察官を騙る詐欺に警察庁は頭を痛めています」(警視庁詰め全国紙記者)

警察官を騙った詐欺は昨年1年間で4192件起きている。

これは一昨年と比べ、3000件以上も増加。被害額は特殊詐欺全体の5割以上を占める371億円に上っており、今年に入ってから2月までの被害額はすでに100億円を超えている。

「2月にミャンマーで摘発された犯罪拠点で、特殊詐欺に加担させられた日本人2人も『警察官の制服を着て、顔はAIで変えて偽の逮捕状を見せた』と手口を証言しています。
現在、急増しているのは犯人が捜査員役で登場する劇場型。電話で捜査員を名乗り、『名前や個人情報を把握している』などと被害者の不安を煽るのです」(犯罪ジャーナリスト)

スマホ送金に慣れた若者世代も標的に

東京都内で今年2月末までに確認された277件の被害のうち、被害者の年齢は20代以下が19%、30代が21%、40代が16%と、若い世代もターゲットにされている。

「これまでの特殊詐欺は高齢者が狙われていた。だから若い世代は警戒心が薄い。ここが落とし穴です。若い世代にとって、ビデオ通話は身近なツールになっており、スマホによる送金にも抵抗感がない。実は、狙われやすいんです」(同)

警察当局は、捜査でビデオ通話を使用したり、現金を振り込ませたりすることは絶対にないと注意喚起している。

もし、警察官を騙る電話が掛かってきたら相手の部署と名前を聞いたうえで一旦、電話を切り、地元の警察署に確認するように呼び掛けている。

「週刊実話」5月8・15日号より

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