
先週のオークスは、正直言って惨敗。それも言い訳が効かないような完敗だろう。ソダシが向こう正面で怪しくなった時点で覚悟したが、それでも直線、奇跡の伸びを期待した。しかし空しく無念の8着。百%勝つとは思わないが軸には最適、と見立てたのに、とんだ眼鏡違いだった。申し訳ありません。それ以上に驚いたのが、16番人気ハギノピリナの激走である。藤懸騎手には悪いが、まったくアウト・オブ・眼中。競馬って難しい、とこれまで何万回も口にしたフレーズをここでまたも発するとは…。
気を取り直して、この春の大勝負、ダービーをざっくり予想したい。まずは、これまでプラス決算でダービーを迎えられることを歓びたい。そして、このダービーが外れるとマイナス・ゾーンに陥ることに怯えたい。あと何回ダービーが観られるか、高齢者の競馬ファンはそれを数えながら生きている(多分)。ボクも例外ではない。毎年ダービーをライブで観る…そのために約30年前、府中に引っ越して来たようなもの。それがコロナ禍で2年続けて観れそうもない(今年は制限付き有観客だが、手続きが面倒臭いや)。
本命は2頭。まずエフフォーリアは、ソダシほど不安はないだろう。これまでの勝ち方がほぼ楽勝の部類だし、皐月賞で付けた3馬身差は決定的とも思える。東京コースへの不安もないし、これといった欠点は見当たらない。おまけに決まった馬番がダービーでは超の付くラッキー枠の①なのだから心強い。第88回だけにゾロ目1-1もありそうだ。もう1頭は個人的好みの⑩シャフリヤールを。共同通信杯はエフフォーリアの3着と敗れたが、毎日杯を快勝し、ここに駒を進めた勢いを買いたい。毎日杯からのステップが不利なのは百も承知だ。この2頭が軸。
とにかく当てたい ダービーだから!
投資額の割合はエフ重視だが、シャフリとの馬連は厚目に。相手は、同じ共同通信杯で2着だった②ヴィクティファルス、懲りずにご贔屓・松山騎乗の⑦グラディアス、勇躍挑戦でウオッカ以来の牝馬ダービー制覇なるかだが外枠が少々不安の⑯サトノレイナス、皐月賞2着の⑭タイトルホルダー、皐月賞3着⑪ステラヴェローチェ、馬よりも騎手が怖い和田竜⑫ワンダフルタウン、とここまで。騎手で人気のディープモンスター、グレートマジシャン、アドマイヤハダルはこの際無視する。時々二桁人気がからむダービーだけに、松山、吉田隼あたりの馬が突っ込めば高配当だが…。
映画馬券としては、大本命エフフォーリアから連想して『クリスチーネ・F』(81年)を。ジャンキーの娼婦だった少女クリスチーネの告白をドキュメンタリー・タッチで描いたウーリッヒ・エーデル監督の刺激的なドイツ映画で、デヴィッド・ボウイが音楽を担当している。ちなみに、半世紀の時を越え、現在日本初公開中の『デッドロック』(70年)は、白昼夢のような異色犯罪アクションで、監督のローラン・クリックのブットビぶりがよく解る。このクリック監督の〝ヤク中〟好きは本格派で、当初『クリスチーネ・F』の演出を任されていたのだが、本物のジャンキーを多数出演させようとしてプロデューサーと大ゲンカになり、撮影2週間で降板するほど。いやはや。もちろん、馬の〝F君〟は品行方正、薬物とは無縁で、正々堂々と激走してくれるだろう。
買い目を整理すると、まずはその〝F君〟の①から②⑦⑩⑪⑫⑭⑯へ馬連、3連複を。⑩シャフリヤールから馬連②⑦⑪⑫⑭⑯へ。とにかく当てたい。ダービーだから!
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。
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