『イナズマイレブン』最新作にVTuber起用で“オタク抗争”に発展「声優マトリョーシカ」「ありがたいと思え」

人気サッカーRPG『イナズマイレブン』シリーズ最新作『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』が、声優キャスティングを巡って騒動を巻き起こしている。 

本作は8月22日にPS5、Steamなど向けに発売予定。発売まで4カ月を切った4月11日に発表された声優陣が炎上の火種となった。 

発表された声優陣には、YouTuberのHIKAKINやクイズ王・伊沢拓司、アイドルグループ『＝LOVE』の佐々木舞香、さらにVTuberグループ『にじさんじ』『hololive DEV_IS』『ぶいすぽっ！』から伊波ライ、一条莉々華、英リサ、周央サンゴらが名を連ねているのだが、『イナズマイレブン』ファンからは不満が殺到している。 

「物語の中核を担うキャラクターには、やはりプロの声優による繊細な演技が必要です。ファンが求めているのは作品世界に没入できるリアリティであり、話題性や知名度だけでは補えない部分があるのです」（『イナイレ』ファン） 

特に問題視されたのは、ゲスト出演という形式ではなく、これらの声優たちがゲーム本編のストーリーに深く関与する構成である点だ。

「声優マトリョーシカ」「キャラがキャラを演じる」VTuber起用への根強い違和感

「ゲームのストーリーに絡むチームメンバー5名を10名から選出するのですが、その部員候補となるキャラクターたちをHIKAKINさん、周央サンゴさんらゲスト声優キャラから選ぶ。使いたくないキャラなら避けられますが、強制的にパーティに入れられ、なおかつストーリー上で重要な役割を持たされるとなると、ユーザーにとって選択の余地がないのは問題でしょ」（同） 

とりわけ波紋を広げているのが、VTuberの起用である。 

多くのVTuberはすでに“キャラクター”としての立場が確立されており、そのVTuberが、さらに別のキャラクターを演じる構図に「声優マトリョーシカ」といった反発が噴出した。 

しかし一方で、VTuberファンからは怒りにも似た擁護の声もあがっている。 

《VTuberっていう存在だけで叩かれてるのは悔しすぎて涙出る》 
《『棒読み』とかじゃなくて『作品が穢れる』って言われるのが怖い》 
《VTuberがイナイレに出演してくれたことを、ありがたいと思え》 

彼らは「演技力こそが本質」であり、「職業の肩書きで判断するべきではない」と主張。中には普段は否定的であろうHIKAKINや伊沢拓司の声優起用にも理解を示すファンもおり、議論はさらに複雑化している。 

コンテンツ業界においては、「注目を集めるキャスティング」と「作品世界の整合性」の両立が求められる。声優だけでは話題性に欠け、他ジャンルから起用すれば批判が湧く。誰もが納得するキャスティングなどありえないのだろうか。