大阪・関西万博に蝶野節が炸裂!「東京オリンピックの失敗が何も生かされていない」

大阪府ホームページより
「蝶野正洋の黒の履歴書」大阪・関西万博で暗躍する悪代官と黒い商人

「現場任せで誰も責任を取ろうとしないのはよくないよ」

ついに「大阪・関西万博」が開幕した。

メタンガスの発生、入場時の大混雑、熱中症の懸念など、展覧内容よりも運営や会場自体の問題が多くて、ネガティブな報道が目立っている。

運営側からすれば予想外の問題が次々と起きて、想定していた計画とは、だいぶ違うものになってしまったというのもあるだろう。

だけど、現場任せで誰も責任を取ろうとしないのはよくないよ。

万博は、未来の新しい技術や文化をアピールするというのが一つのテーマになっているはず。

でも、それだと若い世代が食い付かないからか、1970年開催の大阪万博にノスタルジーを感じる世代に向けてプロモーションをしたり、いろいろと迷走している。

それに釣られてシニア層が来たとしても、足腰が弱ってるから広い会場を歩ききれない。

俺もずいぶん前にテーマパークに行ったことがあるけど、滞在時間の8割は休んでいた。

普通は10カ所ぐらい回るところを3〜4つぐらいでギブアップして、あとはずっと座っていたんだよ。

だから、今回の万博では老人世代にシルバーパスを発行して、電動カートに乗せて会場内をぐるっと1周できるようにするのはどうかな。

もう新大阪駅の新幹線ホームからカートに乗って、会場まで直行できるようにしてもいいくらい。

それこそが、まさに少子高齢化が進む日本の将来に役立つ技術だよ。

大阪政財界の馴れ合いが強烈

今回の大阪万博はそういう理想や理念が薄くて、利権ばかりが目立つ。

「東京2020オリンピック」の失敗が、何も生かされていない。

東京2020オリンピックは当初、肥大化して商業的になったオリンピックを「どれだけコンパクトにしていくか」というのがテーマだった。

でも、コロナ禍でそれがウヤムヤになって、どんどん予算も膨らんだ。

会場も既存の施設を活かすと言いながら、新しいものをたくさん建てて、いまや負の遺産となってしまっている。

大阪万博も終了後、建造物はもちろん、土地をどう使うのか考えなきゃいけない。

だけど、そこに利権があるのが丸見えで、むしろそれが目的だったんじゃないかって思うくらい、さまざまな業者が群がっている。

土地、建物のように形になっているのはまだいいほうで、大企業や代理店が寄ってたかってその前段階で中抜きしてるから、膨大な予算がどう使われたのかもハッキリしない。

多分、最初から座組ができていて、一部の業者だけが甘い汁を吸うようになってるんだろうね。

イメージ的なものかもしれないけど、大阪の政財界の馴れ合いというか、仲間内でやってる感はすごいよね。

それが大阪商人の懐の深さだったり、人情だったりするんだろうけど、言い方を変えたら内輪で利益を回してるだけ。

政治家や自治体の巻き込み方も、時代劇の悪代官&悪徳商人と変わらない。

余談だが、現在の日本で一番、悪代官っぽい顔をしているのは石破茂首相なんだけどね(笑)。

あの細い目で、要領を得ない説明をネチネチとつぶやいている感じは、時代劇の悪役っぽいよ。

現時点での大阪万博のイメージは、ドタバタ運営と利権の奪い合い。ここから巻き返して、次の世代にとって有意義なものにしてほしいね。

「週刊実話」5月1日号より

蝶野正洋 (C)週刊実話Web

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。