米中関税戦争でアメリカ孤立! 習近平国家主席は中国貿易拡大で高笑い

画像はAIで生成したイメージ
トランプ米大統領が各国に「相互関税」という爆弾を落とした。最大のターゲットは中国だが、習近平国家主席は対抗姿勢を崩さない。

日本など関税の一部は90日間停止されたが、一方的に関税を引き上げられた各国は、経済危機を逃れるために中国に接近するとみられ、アメリカが逆に孤立してしまいそうだ。

トランプ大統領は日本からの輸入品に24%の追加関税をかけると表明したが、中国に対する関税はケタ違いだ。

当初から20%の関税をかけていたが、相互関税では34%を上乗せした。

これに対して中国も34%の報復関税をかけると表明したことから、トランプ氏は50%を上乗せして104%とし、さらに145%にまで引き上げた。

中国からの輸入品価格が約2.5倍になる計算だ。これを受けて習氏も125%の報復関税を課すなどチキンレースとなっている。

「トランプ氏の狙いは中国などに高い関税をかけることで、約185兆円にものぼる貿易赤字を減らすこと。また、海外から安い製品が入ってくることで、仕事を奪われてきた労働者などにトランプ氏の豪腕をアピールし、来年の中間選挙で勝利する狙いもあります」(経済ジャーナリスト)

高い関税をかけられた国が中国貿易を拡大

新型コロナ禍以降、経済が低迷する中国にとって、アメリカへの輸出が減ることはさらに痛手になりそうだが、意外にも習政権は余裕を見せている。

報復関税を引き上げ、WTO(世界貿易機関)に提訴するなど対抗姿勢を鮮明にしており、アメリカとの交渉で折れる気配はない。

「実は、アメリカに高い関税をかけられた国々が、一斉に中国との貿易を拡大しようとしているのです。中国にとってはアメリカ向けの輸出が減る半面、それ以外の国との輸出入を増やすことで経済がプラスに働くという算段です。自由貿易を守るという姿勢で経済的にも外交的にも優位に立つ作戦です」(同)

一方のトランプ政権にとっては、失うものも大きい。輸入価格が高騰することでの物価高、株価も下落を続けている。報復合戦、習氏の高笑いが聞こえそうだ。

「週刊実話」5月1日号より

【関連】『月曜から夜ふかし』9月打ち切りか 捏造カラス問題で中国と国際問題に発展する可能性 ほか