中日“指定席”脱出も残る課題「打てない、勝てない」 来季は球団創設90周年メモリアル

中日ドラゴンズ公式HPより
4月12日の阪神戦に勝ち、辛くも「甲子園12連敗」を免れた中日。16日の試合終了時点ではDeNAに最下位の座を譲り、5位に浮上した。

しかし、DeNAとゲーム差はなく、いつ指定席の最下位に落ちるかわからない。指揮官が井上一樹監督(53)に代わったが、不振の原因は「打てない」のひと言に尽きる。

「開幕投手も務めた髙橋宏斗の不振も気になります。いまだ勝ち星なし。今季はエースとして、チーム全体も牽引してほしかったのですが…」(名古屋在住記者)

甲子園11連敗を記録した際の敗戦投手は髙橋だ。4回5失点は本来の姿ではなかった。

とはいっても、中日のチーム防御率は16日の試合終了時点で2.45とリーグ2位(1位は広島で2.35)。

それに対し、チーム打率は.192でリーグワースト2位(ワースト1位はヤクルトで.191)。阪神戦前の広島3連戦中は.186だったので、少し上がったわけだが、12球団あわせてもワースト2位だ。

「ハッキリ言って、打撃成績は立浪前政権よりも悪化した。11日はスタメンに打率1割台以下のバッターが6人もいましたから。11日の試合後、4番の石川昂弥は1割6分。4番の打率が2割にも満たないようでは…。」(同)

だが、竜党のファンからは好意的なエールも聞かれた。

「甲子園11連敗となった11日も3三振を喫しましたが、ファンは前向き。翌12日、石川が二軍降格となり、むしろ、それに対する反対論のほうが多く聞かれました」(同)

中日は2点失えば負け確定?

竜党は“将来の主砲を根気強く育ててほしい”と思っていたが、叶わなかった。そして石川も重圧で苦しんだのか、覇気を失っていた。

「石川が実績を挙げて4番をつかんだのではなく、首脳陣の“そうなってほしい”という期待で抜てきされたんです。降格は井上監督にとっても、辛い選択だったはず」(関係者)

石川個人のことを考えれば、4番で使い続けていくべきだ。しかし、プロである以上、結果も求められる。

さらに、チームは勝たなければならない。中日は来年、球団創設90周年のメモリアルを迎える。

今の「打てない、勝てない」の状況が続けば、メモリアルイヤーのチームスローガンが「最下位脱出」という、何とも寂しいものになってしまう可能性も出てきた。

「今季は若手が成長し、来年は優勝を狙えるところまでチームを底上げしなければなりません」(同)

4月16日現在、中日打線は16試合で29得点と、1試合平均で1.81点(打率最下位のヤクルトは12試合32得点、1試合平均2.66点)。計算上は投手陣が2点目を失った時点で「負け」となる。

中日よ、大丈夫か?

「週刊実話」5月1日号より一部内容を変更