大相撲界の伝統はナンセンス? 元関脇嘉風の「中村部屋」に大の里顔負けの熱視線

相撲のぼり (C)週刊実話Web
ただいま力士たちは春巡業の真っ最中。5月11日から始まる夏場所(両国国技館)が楽しみだが、独特の指導法で驚異的な実績を挙げ、綱取りを目指す大の里(24)顔負けの熱い視線を浴びている部屋がある。

夏場所に入幕が決定的な嘉陽(25)や、十両昇進が発表されたばかりの宮城改め宮乃風(26)らを輩出している中村部屋だ。

昨年6月、「やりたいことがある」として中村親方(元関脇嘉風)が、それまで所属していた二所ノ関部屋から友風(30)ら8人を引き連れて独立した部屋で、大相撲界に伝わる伝統からの脱却をモットーに数々のユニークな新方式を導入し、弟子たちの指導に当たっている。

例えば、稽古の2部制だ。

「昔から大相撲界の稽古は朝と決まっていますが、中村部屋は朝と夕方の1日2回。朝は器具などを使ったウエートトレ中心で、相撲の稽古は夕方から。それも立ち合いに手を突いて激しくぶつかる一般的なものではなく、お互いに胸を合わせて組み合った状態からスタートするやり方です。すべて中村親方が現役時代にひそかに実践していたり、考えていたやり方だそうです。また、週休2日制で休養日もしっかりあります」(大相撲担当記者)

食事は1日3食、料理人も帯同

食事も大相撲界は昼と夜の2食制だが、中村部屋は朝、昼、夜の1日3食制。これも中村親方の現役時代の経験が裏打ちされており、「クルマはガソリンがないと走らないのと同じですよ。相撲の稽古はハードです。ガソリン不足にならないように、朝昼夜、しっかり食事を取る、というのが狙いです」と説明している。

また、稽古時間を確保するために、力士たち自身が稽古時間を削ってちゃんこの支度をする昔からの方式も改め、専用料理人を帯同している。

現在はまだ地方場所だけだが、ゆくゆくは東京場所でも同じようにやりたいそうだ。

中村親方は「みんなよく付いてきてくれた。現在は8人中3人が関取だけど、8人全員を関取にする」と意気込んでいる。

果たして、この中村新方式はどこまで浸透するのか。

「週刊実話」4月24日号より