蝶野正洋がSNSの危険性に警鐘「学校の授業で教えるべき」過去には車の盗難被害も「橋本選手のベンツも盗難されたばっかりだった」

蝶野正洋(C)週刊実話Web
NHKから国民を守る党の立花孝志党首が街頭演説中に暴漢に襲われたり、女性ライバーが生配信中に殺害されるといった、凶悪な事件が立て続けに発生した。

世間が震え上がる凄惨な事件が毎年のように起きているから「物騒な世の中になった」と感じる人もいるかもしれないが、防犯キャンペーンなどを手伝った際に警察の方に話を聞くと、日本の犯罪件数そのものは右肩下がりで減っているという。

耳目を集める事件がテレビや雑誌などのメディアで大々的に報じられるから、イメージ的に治安が悪くなったような印象を受けるんだろうね。

有名人は行動がある程度バレているから、昔から犯罪者に狙われやすいというのはある。

俺もプロレスで巡業に出ているとき、留守宅に不審者が侵入しかけたことがあったし、マンションの駐車場に止めておいた車が盗まれたこともある。

その頃はプロ野球選手など有名人の乗る高級車が盗まれる事件が立て続けに起きていて、橋本(真也)選手のベンツも盗難されたばっかりだった。

有名人ばかりを狙った窃盗団がいたのかもしれない。

いまやSNSを使えば、誰もが発信できる時代だから、有名人でなくても居場所や行動を特定されてしまうリスクがある。

スマホから《今、海外に滞在してます》と友達に向けてSNSに投稿すると、たまたまそれを見た悪党が泥棒に入るかもしれない。

女性ライバーの事件のように、リアルタイムで襲われてしまう危険性もあるだろう。

SNSを使えば私生活で知り合えなかった人とつながって、コミュニケーションを取ることができる。

それでプラスになることも多いけど、おかしなヤツに見つかってしまう可能性もある。

いい人だと思って交流していても、いきなり逆上されることもあるから、個人情報の扱い方に関しては本当に気をつけたほうがいい。

悪い奴の手口は変わっていない

SNSの危険性について、俺は小学生から学校の授業で徹底的に教えるべきだと思う。

子供は善悪の判断も、近寄ってきた人物が悪党かどうかを見分けることも難しい。

闇バイトに加担したり、ミャンマーで拉致された少年とかも、その判断を見誤って犯罪集団に引きずり込まれてしまった。

スマホは防犯や防災に関して、非常に役に立つツール。身近に置いておけば情報が入るし、何かあればすぐに連絡して助けを呼ぶこともできる。

ただ、使い方を誤ると、それが犯罪を呼び込む窓口にもなってしまうんだよ。

悪い奴らの勧誘の手口なんて昔からたいして変わっていないが、誰もちゃんと教えないから防げない。

カルト宗教なんかも、最初は関係なさそうなサークル活動を装って近づいて、少しずつ洗脳していく手法をいまだにやってるみたいなんだよ。

オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件から30年も経ってるし、若い世代はカルトの恐ろしさを知らないのだろう。

警察も防犯運動や啓発活動を続けているけど、なかなか届きにくいところもあるから、やっぱり学校の授業で注意喚起の時間を設けてあげるのが一番いい。

そもそも、人間はすぐに忘れる生き物だ。そんな人間たちが作っている社会では、重要なこともすぐに忘れ去られてしまう。だからこそ、防犯、防災は繰り返し注意喚起を続けるしかないんだよ。

「週刊実話」4月24日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。