狙いは第三次世界大戦の勃発による体制の殲滅か 米中激突の背後に見え隠れする“恐ろしい思惑”【忍び寄る最終戦争3】

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ウクライナ紛争やイスラエル・ガザ戦争はいまだ長期化の色合いを見せている。いまや世界は何が起きてもおかしくない。果たして、第三次世界大戦は起きるのか。戦慄のシミュレーションを報告する!(全4回中の4回)

米中の争いが熾烈化し各国も軍備を増強

また、経済と軍事力で世界を支配してきたアメリカが王座を降りれば、そのポジションを狙う各国が群雄割拠の様相を呈し、椅子取りゲームに参戦してくることは必至だ。

「前述のようにアメリカが脱退すれば、NATOは解散する可能性は大ですし、そうすればロシアはウクライナだけでなく、バルト三国や東欧諸国に侵攻するでしょう。ひとたび火の粉が上がれば、中国をはじめとして多くの国が、自国の利益を求めて戦争になだれ込むのを止めようがありません」(同)

実際、アメリカと中国は、もうすでに情報戦争と経済戦争を始めている。トランプ氏がアメリカの背後にある権力構造の意にそぐわない行動を起こし、それを繰り返していることで、ことさら中国との闘いがヒートアップしている。

「今後、ますます世界が不安定になれば、各国は自衛の名のもとに軍備を増強し、軍拡に励むようになるでしょう。米中が展開する経済戦争がさらに激化すれば、その影響で苦境に陥った国々の間で本格的な戦争が起きる。そんな日がすぐ目の前に迫っているともいえます」(前出・政治評論家)

しかし、このような状況下でアメリカは、実は意図的にこの弱体化を進めているという声もある。さまざまな陰謀論を研究する在米の作家は、こう自説を述べた。

「ドルを基軸とした、膨れあがった世界経済は実体経済をはるかに離れ、もはや修復不可能となっています。トランプ氏が再び大統領になった本当の使命は、アメリカのドル体制や覇権をぶち壊すことだと考えられます」

第二次世界大戦後から今日まで続いてきたアメリカの覇権と、ドルを中心とした金融、経済、政治などが行き詰まり、どうにもならない状況に陥っていることは確かだ。

国内と世界を分断

そこで、破壊者たるトランプ氏が選ばれ、現行体制を崩壊に導いていくのだという。

「トランプ政権は国内と世界を分断し、経済や金融をストップさせる思惑を持っているように映る。当然、世界中が大不況になり、そうなると歴史が証明してきたように、戦争が始まります。大規模な戦争を利用して、財政政策を刷新した新しい国家体制をつくろうとしているのです」

われわれにとっては恐怖でしかないが、こうした危険な動きが、米中激突の背後に隠されているのかもしれない。

『検証 2025年の大予言』より

【忍び寄る最終戦争4】へ続く