田中将大、ブルペンで“マー君教室”開講 野村野球とヤ軍の投球術が巨人投手陣へ

田中将大 (C)週刊実話Web
巨人・田中将大(36)が登板した、DeNA二軍戦前日の3月19日、珍しい光景が目撃された。

二軍のジャイアンツ球場で練習していた田中のもとにライデル・マルティネスが近づき、何かを話し掛けた。マルティネスは田中に話し掛けるタイミングを見計らっていたようだ。

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そこに通訳も加わると、田中は「変化球の握り」を見せ、実際に腕を振りながらいろいろと説明。時間にして10分程度で田中は練習を再開し、マルティネスは頭を下げてから控え室へと戻って行った。

その後の取材で、マルティネスがチェンジアップの投げ方について田中にアドバイスを求めたことが判明した。

「田中といえば、スプリットが有名です。スライダーにも定評がありますが、チェンジアップの助言を求められたのは初めてかも」(取材記者)

田中に敬意を表してのことだが、若手選手からは「話し掛けにくい」とのイメージも抱かれているそうだ。

しかし、ヤンキースで積み上げた投球術と、若手時代に元東北楽天監督の故・野村克也さん(享年84)に学んだ配球の妙は、確実に巨人投手陣にも広まっていた。

「田中は降板後、ブルペンに行き、投球練習をすることが多い。久保康生巡回投手コーチの指導がまだ終わっていないからなのですが、降板した先発投手が試合中にブルペンに来て練習すれば、救援陣は見入ってしまう。そのとき、田中から少しですが、自身の課題や変化球への助言があるそう」(同)

開幕に向けた調整は難航か

「話しにくい」との情報だが、内海哲也投手コーチは現役の頃に「最近の若いヤツは…」とボヤかれていた。先輩に恐れ戦き、助言を求めようとしなくなったのは、今に始まったことではない。

「開幕戦前なのでタイミングが難しいですが、田中と若手をセッティングする会合も計画されているそう。また、田中に最初に助言を求めたのはG投手は戸郷翔征だった。キャンプイン直前の自主トレ中のことで、関係者などの話を総合すると配球だけではなく、ストライクカウント別の打者心理なども聞いていたらしい。今後も田中に教えを乞う投手も増えてくるでしょう。試合中のブルペンが『田中教室』になるかも」(ベテラン記者)

もっとも、田中は3月20日の横浜DeNA2軍戦に先発登板したものの、ボールに伸びが感じられず、4イニングを投げ切る間に7安打を浴び、2度も満塁のピンチを迎えたほど。開幕に向けた調整が難航している模様だ。

プラスとなる話も多そうだが、移籍した巨人で果たして花が咲くのかが見ものといえる。

「週刊実話」4月10日号より一部内容を変更