不信任案提出なら解散総選挙発動で自民と共に大惨敗…立憲民主党・野田代表が抱える“恐ろしきジレンマ”【春の政治ドキュメント2】



漁夫の利を得るのは国民民主党

一見、徹底追及する姿勢を強調したように聞こえるが、立憲民主関係者によると「不信任案は出したくない」というのが本音なのだ。

“低迷する石破首相と参院選を戦いたいため”ともいわれるが、そうではない。

「いま不信任案を出して可決されれば、衆院解散になる可能性の方が大きい。そうすると準備ができておらず、支持率も低い立憲民主は勝てない」(同)

だから現状は徹底追及にとどめているというわけだ。

実は、伏線がある。

この関係者によると予算案の衆院審議が大詰めを迎えていた2月末、石破首相と野田氏は密かに会談しているのだ。

首相はこのときもホテルニューオータニで会食し、ホテル内を移動して野田氏と密会。野田氏も高額療養費引き上げには理解を示しているとして、トップ同士で妥協点を探ろうとした。

だが、野田氏は妥協を拒否して凍結を要求。応じなければ「いずれは不信任案を出さざるを得なくなる」と伝えた。

これに対して首相は「それなら国民に聞くしかない」と述べたという。

首相の姿勢を受け、野田氏は今後の政局運びに慎重になっている可能性は十分にある。

ただ、自民党の選対関係者は「いま衆院選をやれば自民も負ける。勢いのある国民民主党が漁夫の利を得るだけだ」と指摘する。

実際、同党の玉木雄一郎代表は記者会見などで、野田氏に早期の不信任案提出と政治決戦での決着を迫るなど、立憲民主を上回る政党支持率を背景に、強気の姿勢を崩さない。

国民民主の若手は「野田氏は慎重だが、通常国会会期末までに不信任案を出さないという選択肢は、この政治情勢ではあり得ない。衆院選になれば、国民民主は3倍増以上の100議席になり、立憲は議席を減らして、ウチと議席数が逆転するだろう」と息巻く。

政局と選挙の行方についても、国民民主がキャスティングボートを握った感がある中、石破首相はこの局面をどう凌いでいくのか。

自民党内では、少数与党のため「石破おろし」もままならないとはいえ、都議選と参院選を控えて何の動きも出てこないのか。

立憲民主党はどの時点で不信任案提出の是非の最終判断をするのか。

この先の政局からは、一瞬たりとも目が離せなくなった。

「週刊実話」4月10日号より