大関大の里が3度目の優勝!“大荒れ春場所”の原因は実力接近と多額の懸賞金にあり

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今年も大荒れだった――。

大阪市のエディオンアリーナ大阪で行われた大相撲春場所は大関大の里(24)が3度目の優勝を飾ったが、初日を前に高田川審判部長(元関脇安芸乃島)が「新横綱(豊昇龍)が誕生しましたが、大関陣もそうはいかない、という気持ちがあるはず。三役陣も力をつけてきているし、(優勝は)今場所も分かりませんよ」と予想した通り、まさに“荒れる春場所”となったからだ。

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今場所は5日目を終えて早くも全勝力士が消え、三役以上で1敗は大関3場所目の大の里ただ1人となってしまった。

その中でも期待を大きく裏切ったのが、新横綱の豊昇龍(25)だった。

番付発表会見で「何があっても休場はしない。責任を持って(ほかの力士を)引っ張っていく」と宣言していたが、初日、小結阿炎(30)の強烈な突っ張りにあっけなく敗退。

5日目には平幕千代翔馬(33)の注文相撲にまんまと嵌って初金星を献上し、さらに10日目の取組後には、初場所千秋楽の琴桜戦で痛めた右肘を8日目の高安戦で悪化させたとして「右肘関節内遊離体、頸椎(けいつい)捻挫」の診断書を提出。休場してしまったのだ。

おかげで、休場後には「だから、横綱昇進は早過ぎ。もう1場所か2場所、様子を見るべきだった」とする横綱昇進への時期尚早論が復活。新横綱の休場は1986年秋場所の双羽黒以来39年ぶりだったこともあり、昇進を強引に推し進めた高田川審判部長も微妙な状況に追い込まれた。

懸賞数は地方場所最多!

また、先場所の綱取りから一転して大関かど番に追い込まれていた琴桜(27)は、8勝7敗と勝ち越したものの、13日目の取組後には八角理事長(元横綱北勝海)が「苦しい場所と言われるようではダメ。印象が悪い。強い勝ち方をしてほしい」と苦言を呈した。

さらに、千秋楽でも立ち合いで激しくぶつかった大の里に一気に寄り切られて敗退、場所を通した相撲内容が大関らしからぬものだった。

春場所は、どうしてこんなにも荒れるのか。

相撲協会関係者が言う。

「番付上位者の負けが続出する波乱の原因は時代によっても異なるが、今年に限って言えば、幕内の上下の実力が接近した状況になっていることが大きい。また、今場所も相撲人気がさらに活況を呈し、勝てば(相撲協会預かり分を含めて)1本につき6万円もらえる懸賞が地方場所最多となる2298本の申し込みがあった。上位陣の取組はまさに懸賞だらけで、初日の豊昇龍戦には42本も付いた。あれだけ付けば対戦相手は燃えますよ。番狂わせが多いのは懸賞のせいです」

金に勝る活力源はない!?

「週刊実話」4月3日号より一部内容を変更