国民一人ひとりが“幸せな人生”を取り戻せる? グレートリセット後の経済社会で起こること【森永卓郎さん特別寄稿4】



経済社会が芸能界のように変わる?

そうした社会が到来したときに何が起きるのか。

格差がなくなるわけではない。

付加価値の主流がアートに移るのだから、当然、特異な才能を発揮して、世間から高い評価を受ける人の報酬は高いままかもしれない。

ただ、現状のようにカネを右から左に動かして、巨万の富を稼ぐ人は激減するだろう。

同時に株式市場は大幅に縮小する。

巨大資本の必要性がなくなるからだ。

イメージとしては、経済社会が芸能界のように変わるのではないか。

吉本興業に所属する6000人のタレントの9割以上が、芸能に関わる年収は10万円以下にとどまるという。

しかし、彼らは不幸ではない。

ステージで浴びる観客の拍手喝采に大きな喜びを感じているからだ。

その働き方は、グローバル資本主義がもたらしたブルシットジョブより、はるかに人間的で、生きがいに満ちている。

高い経済成長は取り戻せないが、一人ひとりの国民は幸せな人生を取り戻すことができる。

グレートリセット後は、そんな経済社会が訪れるのではないだろうか。

週刊実話増刊1月29日号『検証 2025年の大予言』(小社刊)より