人類史上最大の“バブル崩壊”が深刻な世界恐慌を引き起こす!【森永卓郎さん特別寄稿3】



「大規模から小規模へ」シフトする世界

それではグレートリセットの後の世界は、どのようなものになるのか。

私は、グローバル資本主義と真逆のことが起きると考えている。

(1)グローバルからローカルへ、(2)大規模から小規模へ、(3)中央集権から分権へ、そして(4)AX(アート・トランスフォーメーション)だ。

(1)グローバルからローカルへ
グローバル資本主義では、世界で最も安い国から大量仕入れをしてコストを下げるのが基本だ。

しかし、平時にはそれでよくても、戦争や自然災害などが起きると、その仕組みが機能しなくなることが、明らかになった。

近年の半導体不足や2024年に起きた令和のコメ騒動などが、その典型だ。

私は「インド建国の父」マハトマ・ガンディーが提唱した「近隣の原理」が、スタンダードになると考えている。

近くの人が作った食品を食べ、近くの人が作った服を着て、近くの大工さんが建てた家に住む。

表現を変えると、まずは自産自消、足りない分を地産地消、それでも足りない分を国産国消にして、グローバル調達は最小限にとどめるのだ。

(2)大規模から小規模へ
グローバル資本主義では、グーグルやアマゾンなど世界的大企業が世界市場を席巻した。

しかし、グレートリセット後は、地域に根付いた中小零細企業が個性的なビジネスを行うようになる。

(3)中央集権から分権へ
企業レベルでも、行政レベルでも、政治レベルでも、現場が主導権を握り、さまざまな判断が地域を中心に行われるようになる。

(4)AXが進む
定型的な仕事をコンピューターやロボットが代替することで、人が創造するアートの部分が付加価値の大宗を占めるようになる。それがAXだ。

週刊実話増刊1月29日号『検証 2025年の大予言』(小社刊)より