老人ホームで診療報酬28億円不正請求! 浮かび上がった「高額紹介料ビジネス」の闇

画像はAIで生成したイメージ
全国で老人ホームを運営する石川県金沢市の会社が診療報酬約28億円を不正請求していたことが分かった。

老人ホームの高額紹介料問題も関係している疑いがあるという。

昨年12月、厚生労働省は要介護度に応じた紹介料の料金設定は不適切として、施設を指導するよう求める通知を各自治体に出したが、紹介事業者は指導対象になっていない。

【関連】まるで恋愛映画! 本当にあった「50年後に実った恋」離れ離れになった“初恋の人”と運命の再会 ほか

「近年、老人ホーム紹介業にはさまざまな企業が参入しています。背景には利用者に代わってケアマネジャーや地域包括センターが施設探しをしても、サポートには時間と手間が掛かり、限界があるからです。紹介業者に良識があれば問題ありませんが、高額紹介料の支払いは増えている。要介護度が上がって介護報酬が高くなるに従い、紹介料も高くなる仕組みです。関西地方の有料老人ホームに入居者を紹介する業者の手数料相場は高騰しており、1人当たり100万円超えが支払われたケースや、紹介料目当てで入居者が施設を移動せざるを得なかった事例も見つかっています」(社会福祉ジャーナリスト)

紹介料をランク付け

冒頭の診療報酬約28億円を不正請求した疑いのある会社は19都道府県で63カ所の老人ホームや訪問介護事業所などを展開する『サンウェルズ』。

「同社は紹介業者から入所者を紹介された場合、1人につき100万円を支払っていた。介護や医療の報酬の財源は税金と保険料。心ない紹介事業者はその金を食い物にしている。以前、社会問題にまで発展した貧困ビジネスと似ていますよ」(医療ジャーナリスト)

貧困ビジネスの手口はさまざまだが、生活保護受給者が医療費無料を悪用して、薬の不正入手や転売で利益を得て暴力団の資金源に流れるビジネスも含まれる。

「関西にある施設が紹介業者に送付したチラシによると、要介護や訪問介護の回数の他、末期がんやパーキンソン病などの難病を抱えているかで紹介料が決まる。チラシでは紹介料がランク付けされている。まるで人身売買ですよ」(同)

社会保障費は食い荒らされ放題だ。

「週刊実話」3月27日号より一部内容を変更