悪徳警官の“罪と罰”…家宅捜索で精力剤&媚薬をくすねて愛人に使用を強要!

画像はAIで生成したイメージ
ニュースなどで見かける「家宅捜索」の場面では、次々と運び出される段ボールに目が行くが、実は中身がスカスカなことも珍しくないという。

「押収物が少なくて、1箱に収まってしまう場合でもあえていくつかの段ボールに分けて運ぶことがあります。何も押収物がなかった場合、空っぽの段ボールを運ぶこともありますよ。理由ですか? 見栄えを良くするためです(苦笑)。あえて仰々しくしているんです」と話すのは警察関係者のA氏。

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「警察もけっこうお茶目だな」という気もするが、A氏によれば家宅捜索においては「お茶目では済まされない」事件も起こっているという。

「捜査員による押収物の横領です。以前、違法薬物販売の疑いがある、東京都内の某アダルトショップを家宅捜索した際に、捜査員の1人(仮にBとする)が商品である精力剤と媚薬効果のある催淫剤をこっそり盗んでいたんです。Bは日頃から精力の減退に悩んでいたようで、ブツを見た時に魔がさしてしまったようですね」

ちなみにBは既婚者だったが、これらを用いて「行為に及んだ」のは妻ではなく、キャバクラ勤務の愛人だったという。

「この愛人が警察にタレこんだことで事件が発覚しました。彼女が『頭が痛い』『息苦しい』などの健康被害を訴えたにもかかわらず、Bが薬物の摂取を強要してきたとかで『身の危険を感じた』そうです。実際、薬物性交が原因で女性が亡くなった事件とかもありますしね。Bは女性に対して無理や無茶をする人間ではないと思っていましたが、精力剤を手に入れたことで理性がふっとんでしまったみたいです。愛人も『人が変わったようで怖かった』と証言していたと聞きました」

組織より重い家庭内制裁

警察官による横領に薬物使用となれば組織全体を揺るがす不祥事だが、なぜかこの事件は表沙汰になっていない。

「警察が『共犯として逮捕しない』ことを交換条件にして、愛人に口止めをしたんですよ。『ある意味司法取引のようなものだ』と担当者は主張していたようですが、これは警察組織による立派な隠蔽事件です」

警察組織の隠蔽体質は今に始まったことではないが、Bの場合は所属していた警察署にも「隠蔽したい」理由があった。

「Bが所属していたのは、当時不祥事続きで有名だった某県警だったんです。これ以上不祥事がバレたら、署長のクビだけじゃ済まないくらい追いつめられていたみたいですよ」

組織としてはもみ消されたものの、Bの悪行が「なかったことにされた」わけではなかった。

「事件をきっかけにBに捨てられた愛人が、Bの妻に一部始終をバラしたんです。愛人はBに手切れ金を要求していたようですが、それを却下されたことによる腹いせだったみたいですね。当然Bの妻は怒り心頭ですよ。ヘタしたら、夫は懲戒免職で、自分も子供も犯罪者の家族になっていたわけですからね。結局離婚になったそうです」

職場では実質無処分だったBも家庭内での制裁は避けられなかったということだ。

「現在もBは警察官ですが配置換えされ、出世の道は完全に絶たれました。事情を知っている同僚から白い目で見られながら仕事をしているみたいです」

給料も元妻に差し押さえられ、わびしいやもめ生活を送っているというが、それも自業自得といえるだろう。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。