中田翔の復活が日本球界の歴史を変える?「セ・リーグDH制」導入の機運高まる

中田翔 (C)週刊実話Web
中日・中田翔(35)が、「DH制」導入の契機になるかもしれない。

3月5日、阪神とのオープン戦に5番・一塁で先発出場した中田が、オープン戦初安打となる適時二塁打を放った。快勝した中日は、中田の活躍で序盤から試合の主導権を掴んでいた。

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また、12日に6番・一塁でスタメン出場した中田は、4回にオリックス宮城大弥の初球を捉えると、レフトフェンス直撃のタイムリーツーベースを放つ活躍を見せたのである。

「やはり、影響力の大きいベテランが打つと、チームが活気付きます」(名古屋在住記者)

中田が大減量を行ってキャンプインしたのは既報通り。ダイエットに成功し、体にキレが戻ってきたのだ。

これまでは故意に体重を増やしていたものの、120キロ近くもあったため加齢とともに体を支えきれなくなっていた。昨季の不振の一因である腰痛も、重すぎる体重が招いたもので、「体重=パワー」の考えを捨てた。

「ちなみに5日は、下半身のコンディション不良でチームを離れていた石川昂弥の昇格も発表されました。井上一樹監督は石川を三塁で起用していくプランですが、キャンプ中、石川や細川成也、福永裕基らも一塁の守備練習に加わっていました。中田を交えたポジション争いの激化は、嬉しい悲鳴でもあります」(同)

セ・リーグDH制に巨人は反対で阪神は賛成

ただ、このベテランの復活とポジションの重複は中日だけの問題にとどまらず、今後は「セ・リーグのDH制導入論」問題にも影響を及ぼしていくことになりそうだ。

「キャンプ前の12球団監督会議でも話題になりました。今後、実行委員会などでも話し合われ、導入のメリット、デメリットが整理され、オーナー会議でも取り上げられる予定です」(球界関係者)

中田が復活ののろしを上げた5日のオープン戦では、中日、阪神ともにDH制を使っている。

本来なら、投手も打席に立たせる9人制のセ・リーグ両チームがDH制を使ったのは、野手の出場機会を増やすためだが、ファンも違和感を持たなかったようだ。

「中田が好調を維持したら、中日経営陣の考えも変わりそうです。DHになれば、中田と石川の両方をスタメンで起用できる。打撃が弱点の中日にとって、DH制はむしろプラス」(同)

DH制の導入については、巨人は反対で阪神は賛成。阪神は両球団に次ぐ伝統球団である中日を味方につけ、今日に至った。DH導入も中田復活を受けて中日が賛成となれば、一気に流れができるのではないか、と。

中田の打棒がセ・リーグの歴史を変えるのか。

「週刊実話」3月27日号より一部内容を変更