行くも地獄、残るも地獄…ロシア派遣の北朝鮮軍兵に迫る絶望的な「戦死」か「事故死」の二者択一

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2月26日、ウクライナのメディア『ユーロマイダンプレス』は、ロシア軍が25日、戦車と歩兵を動員して、ロシア西部クルスク州のゼロライン(最前線)でウクライナ軍の包囲網を突破しようとしたものの、失敗したと報じた。

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朝鮮人民軍は、クルスク最前線でウクライナ軍に包囲され、補給路を断たれて孤立状態にあり、同プレスは集団投降する可能性を示唆している。

ウクライナのゼレンスキー大統領は1月の「ウクライナ防衛コンタクトグループ」の会議で、北朝鮮軍は400人が戦死、負傷者約3600人、そのうち300人が治療を受けてから再び前線に派遣されたと述べている。

「2月下旬にウクライナを訪問した韓国の与党『国民の力』の国会議員、庾龍源氏は、ウクライナの捕虜になった北朝鮮兵2人と面会したことを明かし、1人は韓国に亡命する意思を示し、もう1人は『もう少し考える』と語ったと説明しました」(在日韓国紙記者)

捕虜となった2人は偵察総局の所属兵だと明かしているが、偵察総局はエリート部隊であるにもかかわらず、他の部隊と同様、国家のための労働も行っている。

工事で500人規模の犠牲者が出る現場も

捕虜の1人は真冬に動員された北朝鮮北部の工事現場で「尿が地面に落ちた瞬間に凍ってしまうほど寒かった」と語ったという。

「実は、北朝鮮兵にとって工事現場への動員は戦争より怖いことです。現在、国内では『春の招募(新兵の入隊)』が真っ盛り。親だけでなく新兵本人も『124部隊』だけには配属されたくないとして、あらゆるコネを使い、同部隊入りだけは避けようとしています」(北朝鮮ウオッチャー)

昨年2月8日の建軍節(朝鮮人民軍創建記念日)に国防省を訪れた金正恩総書記が、陸軍の各部隊に緊急に立ち上げを命じたのが124部隊だ。

建設現場に動員され同部隊への命令は「速度戦」という名の現実を無視した突貫工事だという。

「高速道路、高層マンションなど突貫工事だから500人規模の犠牲者が出る建設現場もある」(同)

北朝鮮軍兵は、行く(ウクライナ)も地獄、残る(工事現場)も地獄なのだ。

「週刊実話」3月27日号より