ここがオヤジでも「一人メシ」できる“極楽ローカルチェーン”だ!~『山田うどん食堂』編~



名物「パンチ」は格別の酒のアテ

名物の「パンチ定食」。唐辛子がブレンドされた「赤パンチ」も美味
HPに「これぞ山田の名物! 一度食べたらやめられない匠の味」と紹介されている『パンチ定食』(820円)がそれ。「パンチ」とは「もつ煮込み」の山田うどん特有の名称で、担当者が商品化する際に「パンチの効いた名前が思い浮かばず、いっそのことパンチと名付けた」というもの。

要するに、わりとどこででも味わうことのできるもつ煮込み定食というわけだが、そこは山田うどんが「名物」と推すだけあって他店とは一線を画しているのだ。

実はこの「パンチ」、かなり味付けが濃く、激しい肉体労働やスポーツなどをして汗をかいた後、酒とともにかっ食らうのに適した点が特徴なのである。

イメージは、噛めば噛むほど染み込んだモツの深い味がにじみ出てくる感じか。

ビールなどと一緒に喉に流し込めば、うまさは格別。この味付けを子供に食べさせてしまって大丈夫なのかと心配になってしまうが…。

続いて、店名にも冠する「うどん」はどうか?

プラスチック製のざるに盛られた「ざるうどん」(390円)は、まさに凡庸の一言。ただし、しょうゆがかなり強めなつゆと、ゴワゴワとしながらもコシがなく柔らかいうどんは、昔ながらの懐かしさを覚える味ではある。

味にうるさいお客向けではなく、子供やそのお母さんでも安心して味わえることを主眼としていることがうかがえる。

日頃、誰からも見向きもされないオヤジの胸には、あえて100点を狙わず、万人向けに調味されたこの「優しい味」がダイレクトに突き刺さるのである。