担任のビジュアルが気に入らず登校拒否に…モンスターJS(女子小学生)がハマった“イケメン好き”の深み



175センチ以下の男は相手にしない

担任の先生を気に入らない児童はいくらでもいるだろうが、「イケメンじゃない」という理由で登校拒否までする例は皆無だろう。

「ただ、新しい担任もとっても良い先生なんです。美羅の登校拒否の理由を知って、最初はダイエットをしたり、アイドルっぽい髪型にしたり、アイテープで二重にしたりとビジュアルに気を使ってくれたんですがダメでした」と美津子さんは美羅ちゃんをチラリ。すると、それに応えるように美羅ちゃんがうんざりとした表情で口を開く。

「だってイマイチなんだもん。努力は認めるし、それが美羅のためだってことについてはありがたいとは思うけど、全然美羅の好みじゃないんだよね。あと先生の場合は方向性を間違えてる。素材的にジャニーズっていうよりK-POP系なんだから、ただ痩せるだけじゃなく筋トレして身体を鍛えた方がいいし、アイテープよりはアイライン入れて目の形を際立たせるべきなんだよ。もっとも美羅的には175センチ以下の男は相手にしないから、どっちにしろ先生では美羅を満足させられないんだけどね」

「ホント、イヤになるくらい徹底してるんですよ」とため息をつく美津子さん。

「美羅には『1年間だけなんだから、我慢しなさい』と言ったんですが、美羅に言わせると『6年生は卒アル(卒業アルバム)に一生写真が残るから、担任のビジュは自分の次に重要』なんだそうです。校長先生まで説得にあたってくれましたがダメでした」

ちなみに美羅ちゃんは、卒アルの個人写真撮影日には美容室でヘアメークをしてから臨む気合の入れようだったという。

「それだけじゃなく、美羅は自分の写真周りを美男美女のクラスメートで固めたいと言って、ページのレイアウトまで指定しました。そんなことばかりやってると友達に嫌われるんじゃないかと心配していたんですが、なぜか周りはそんな美羅を面白がってるみたいで、不登校の割にクラスメートとは交流できています。でも、この先のことを考えると不安しかありません。なんでこんな子になっちゃったのかしら…」

12歳で男性に対するこの徹底ぶり。母親でなくても将来が心配になってくる。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。