悪質な性加害事件を隠蔽! 警察の“身内にアマアマ”な体質を元警察官が徹底暴露



被害者の父親は異動&異例の昇進

ところが、このおぞましい性犯罪事件はなぜか公にはされなかった。

「噂ではAの身内が警視庁の幹部だったことから揉み消されたと言われています。Aの直属の上司は権威に弱い人間だったので逆らえなかったのでしょう」

さらにその後、この「裏取引」を裏付けるようなことが起きたという。

「被害者一家は事件後に転居して、被害者の父親も異動しましたが、父親はその後昇進しています。失礼な言い方ですけど、異例としか思えない昇進だったので答え合わせになった感じです」

ちなみに、本誌に事件の全貌を語ってくれた田所氏は、信じていた国家権力の“大きな闇”を見せつけられた思いがして、この後警察を退職したという。

「身バレしちゃうのであまり詳しくは言えませんが、私は被害者やその家族とも面識がありましたので他人事ではなかったのです」

また、田所氏は以前から「Aの危うさに気づいていた」と話す。

「これはAと親しかった同僚に聞いた話ですが、Aはやたら付近の学校周辺をパトロールしては、見かけた少女を品定めするような言動があったそうです。私は警察署で行われた家族イベントに来ていた、同僚のお嬢さんにAが過剰にスキンシップしている姿を見たことがあります。その時のAの顔つきや手つきは異常性愛者を思わせるものがありました…というより性犯罪者の目をしていました」

「もっとよく注意していたら、Aの犯罪を未然に防げたのではないか…」

そんな後悔も退職理由のひとつだという。

「私以外にもAの異常性に気づいていた人間はいるはずです。でも不都合なことからは目を背けるという風潮が署内にはありました。私はそういう警察の隠蔽体質がほとほとイヤになったのです」

ちなみに事件発覚から3カ月ほどたって、Aは妻と離婚したという。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。