中居騒動で“フジテレビ離れ”が止まらない…「ウチの女優は出さない」大手芸能プロ役員が断言



信頼関係を築いたフジテレビと芸能プロ

“ナベプロ王国”とは言い得て妙で、同プロでザ・ドリフターズのマネジャーを務めていた井澤健氏が独立し、1979年に設立したのが『イザワオフィス』だ。

「独立と言っても“暖簾分け”のような形です。ザ・ドリフターズのメンバーのいかりや長介さんや加藤茶、志村けんさんらも全員移籍しましたからね。イザワオフィスは『ドリフ大爆笑』や『志村けんのバカ殿様』などを企画・制作し、フジテレビの看板番組に押し上げた。日枝相談役や港前社長とも蜜月関係を築きました。港氏は女子アナを接待役にして、現会長の井澤氏を慰労する会を催していました」(元女性誌記者)

ちなみに、イザワオフィスには小泉純一郎元首相の長男で俳優の小泉孝太郎も所属している。

ザ・ドリフターズと並びフジテレビのバラエティー番組の全盛時代を築いたのが、1982年からスタートした『笑っていいとも!』(2014年3月終了)だ。

MCは『田辺エージェンシー』所属のタモリ。同番組に出演することで、多くのお笑い芸人やタレントが人気を獲得した。

前述のワタナベエンターテインメントの吉田会長も「いいともスタッフ隊」のメンバーとして半年間レギュラー出演していた過去がある。

「当時は田辺エージェンシー社長で、現会長の田邊昭知氏は“芸能界のドン”と称されたほど。井澤氏と同様に田邊氏も日枝-港ラインと深いパイプを持ったんです」(放送ライター)

1980年代に東京進出した吉本興業も、すでに全国区の人気を博していた明石家さんまらがおり、フジテレビへ食い込んでいった。

2007年に吉本興業が持ち株会社に移行した際は、フジテレビの親会社のフジ・メディア・ホールディングスが約12%の株式を保有する主要株主となった。

「フジテレビは音楽番組やバラエティーだけでなく、ドラマもブランド化することに成功した。その筆頭が“月9”ですよ」(同)

所属する俳優やタレント、アイドルを売り出したい芸能事務所側もドラマ出演にはこぞって協力した。

「フジテレビに尽くし、信頼関係を維持してきたのです。そのフジテレビが中居氏の女性トラブルで信用を失った。各芸能事務所は裏切られたようなもの」(前出・元女性誌記者)

フジテレビからのドラマ出演オファーの拒否を決めた冒頭の大手プロ役員がこう指摘する。

「3月末とされる第三者委員会の調査報告次第によっては、大・中・小の芸能プロ問わず、まだまだフジから離れていくでしょうね」

社内外の人材流出は、フジテレビの命取りになる。

「週刊実話」3月6・13日号より