田中将大、巨人キャンプイン“3日”で輝きが復活 楽天コーチ陣の指導法は正しかったのか?

田中将大 (C)週刊実話Web
巨人の春季キャンプが宮崎から那覇へと移ったが、楽天から移籍した田中将大(36)は早くもチームに馴染んだ様子。宮崎キャンプ第2クール初日(2月6日)の練習開始前には、巨人ナインが爆笑するこんな一幕もあった。

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練習前の声出しで指名を受けた大勢が今季の目標などを述べた後、思わぬフレーズを大声で口ずさんだのだ。

「マー君、神の子、不思議な子~」

このフレーズは田中がルーキーイヤーだった2007年に、当時、楽天・野村克也監督(当時)が発したもの。当時まだ小学生だった大勢がこのセリフを口にすると、田中はにやりと口元を緩めながら、「オマエ、オレのことバカにしてるだろ?」と突っ掛かったが、それを他のナインが「さあ、練習、練習」と相手にしなかったのだ。

この一件を見る限り、田中は移籍した巨人にすっかり馴染んでいるようにみえる。だが、それ以上にビックリしたのが、驚異的なスピードで投球フォームの改造成果が表れたことだ。

「キャンプ3日目、予定を変更してブルペン投球が行われました。久保康生投手巡回コーチが“いける”と踏み、田中も手応えを感じていました」(現地記者)

正式なブルペン投球ではなかったが、往年のスピードと威力が戻りつつあるのは確かだ。

楽天イーグルスのチーム気質が復活を遅らせた?

そうなれば、避けて通れないのが去年まで在籍していた楽天の指導法が正しかったのか否かの議論。去年の今ごろは「手術後」ということで、キャンプの大半がリハビリに充てられた。一概に比較することはできないが、「楽天は何を教えていたんだ?」との声も聞こえてきそうだ。「田中は’13年の楽天初優勝、日本一の大功労者です。ヤンキースでも先発ローテーション入りし、開幕投手も務めたカリスマ。キャリアなら、どのコーチよりも上なので、何も言えなかったのでは」(スポーツ紙記者)

そうは言っても、田中は自らのキャリアを鼻に掛けるようなタイプではない。年齢を重ねるとともに乱れていった投球フォームの見直しを助言していれば、素直に従ったと思うのだが…。

ちなみに、昨季の田中を預かったのは現一軍指揮官の三木肇監督(47)である。三木監督も野村氏の薫陶を受けている。「ノムラ学校」の先輩として、苦言を呈することもできたはずだ。

「コーチたちが選手の投球フォームや打撃スタイルを見て、『ここを直せば』と分かっても、あえて教えないときもあります。自分で気付かなければ意味がないという発想です。また、楽天にも戦力分析を行うためのデータ解析機があり、それに基づいて補強を続けてきました。ただ、そのデータ解析を行うフロント幹部と現場スタッフで意見が食い違うことがあり、そういうときは現場が折れていました」(同)

楽天のチーム気質が田中の復活を遅らせたのか。そうだとすれば、新天地での明るい表情を、楽天スタッフはどう見ているのだろうか。

「週刊実話」2月27日号より一部内容を変更