ウクライナ停戦が瓦解!? トランプ氏VSプーチン氏“仲違い”が引き起こす東西冷戦逆戻り

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2月12日、トランプ米大統領はロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアとウクライナの停戦交渉を速やかに始めることを表明した。

だが、不安材料はある。

トランプ氏とプーチン氏はこれまで良好な関係とみられていたが、亀裂が生じ始めていると国際情報筋はみているのだ。

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「トランプ氏はプーチン氏との電話会談を明らかにしていますが、対面での首脳会談については未知数です。これはロシアとウクライナ戦争終結への妥協点がまだ見出せないからでしょう」(外交筋)

そもそも、トランプ氏はロシアによるウクライナ侵攻を「24時間以内に終わらせる」から「6カ月以内」と発言を後退させている。

加えて、ウクライナ問題を含む電話会談が最初に行われたと報じられたのは、トランプ氏が大統領選で圧勝した直後の昨年11月7日のこと。その際、トランプ氏はプーチン氏にウクライナでの戦争を拡大しないよう忠告したというが、ロシアのペスコフ大統領報道官は「ニセ情報だ」と会談そのものを否定している。

「ロシア側が神経をとがらせたのは、報じられた会談の内容です。トランプ氏はプーチン氏に『ヨーロッパには多くの米軍が駐留している』と威圧したと伝えられ、プライドの高いプーチン氏は我慢ならなかったようなのです」(前出・外交筋)

レアメタル利権で不信感が増幅

また、プーチン氏が警戒しているキーマンとみられるのが、トランプ政権で政府の削減策を検討する「政府効率化省」のトップで、大統領選でもトランプ陣営に180億円も寄付するなど大きな支援を行ったEV大手テスラのCEO、イーロン・マスク氏だ。

「マスク氏は、プーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談にも同席するなど、ウクライナに思い入れがあります。というのも、ウクライナにはEVに不可欠なレアメタルが大量に埋蔵されているといわれているからです。アメリカが停戦後もウクライナに関与することで、レアメタル利権を確保できるとの見方が広がっているが、プーチン氏はこれに感づいてトランプ氏への不信感を募らせているようなのです」(大手紙外信デスク)

一方、トランプ氏側にもプーチン氏を“敵視”する要因がある。

トランプ政権の最大の目標は中国の封じ込めだが、ロシアがその邪魔をする形になっているからだ。

「中国がロシアと軍事的にも経済的にも連携を深めているため、中国を制裁しても抜け穴になるとトランプ氏は不満を持っています。現状ロシアは、米国の停戦交渉に応じたが、トランプ氏がプーチン氏に“地獄を見るだろう”とハマスに警告したような態度をとれば、停戦交渉は即決裂し、東西冷戦時代に逆戻りして一触即発となりかねません」(同)

昔の友は今は敵。