八潮の道路陥没、発生から10日経った今を直撃 訪れて分かった現場のリアル

道路陥没の現場
埼玉県・八潮市の道路陥没事故が起きてから、早10日以上が経過する。巻き込まれたトラック運転手の安否も依然として不明だが、現場では一体何が起こっているのか。

事故が起きた八潮は、東京都・足立区から川を越えたところにある。つくばエクスプレス・六町駅からひと駅で、都内へ出るベッドタウンとして機能的な街だ。
八潮駅
駅にはバスターミナルや複合型の商業施設があり、住宅街の性格が強く見え隠れする。事故現場の周辺も住宅街で、都内では億を越えそうな一戸建てが、綺麗な区画整理の中に並んでいる。

現場付近には駅から出ているバス停があるのだが、事故の影響で複数の路線が規制されている。八潮駅の時点では「そこまでの事故なのか」と不思議に感じたが、陥没現場が近付くにつれ、すぐにその理由が分かった。

陥没が発生した穴の周辺は、広い範囲にわたって通行止めになっていたのだ。
運休を知らせる張り紙
周辺はそこかしこが通行止めで、通ることが許されるのは、周辺の住民に限られている。これでは、現場の写真を撮ろうにもまともに近付けず、距離的には数十メートルだが、全く立ち入ることができそうにない。
近くには八潮の浄水場も。今回の件で対応に追われていることは想像に難くない。
そうこうしながら、歩き回ること小一時間。ここで、ついに陥没現場へと続く道路に出た。 

陥没した“穴”の今は…現場で一体何が? 

この道路の先に見えたのが、陥没が起きた実際の現場だ。 

陥没した穴の周辺
周辺道路にも重機や作業員は多く往来していたが、この“メインストリート”にはクレーン車やミキサー車、ショベルカーなど、より多く重機と作業員が動員されている。

陥没の現場
そばでは記録用と思しきドローンも飛んでいるが、関係者と住民以外は、50mほど離れた場所からしか確認できない。近くで穴を見られないことが分かったため、ここで、近隣の人々に話を聞いてみることにした。
現場すぐ横を飛ぶドローン
「工事は24時間やってるけど、特に騒音とかはないですね。それよりも、今は落ち着いたけど、最初はヘリがすごくて、『うるさくて仕方ない』ってご近所さんと話してました。今日は救助ヘリの1台だけですね」(付近の飲食店店員)
この日飛んでいた救助ヘリ
「事故の前兆とかはなくて、本当に突然穴が開いちゃったみたい。地下にはNTTのケーブルも通ってるから、固定電話が通じない。断水はないけど水が濁ったりして、まだ完璧に元通りの生活ではないわね」(歩いていた近隣住民) 

付近には学校があるため子どもたちの姿も目に付くが、みな平和に遊んでいる。こうした時においては、大人より子どもの方がたくましいのかもしれない。 

話を事故に戻すと、当初は救助隊の呼びかけにも応じていた運転手だが、その後は運転席ごと姿を消し、5日夜に運転席のみ発見されている。 

なぜここまで救助が遅れているのか。ただただ運転手の無事を願うばかりだ。

撮影・文/週刊実話Web編集部