阿部寛が爆弾犯と命がけの交渉に挑む映画『ショウタイムセブン』は緊迫感漲るエンターテイメント・サスペンス【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第304回】

(C)2025『ショウタイムセブン』製作委員会
お仕事お疲れさまです。

今回は手に汗握る、あの韓国映画『テロ,ライブ』を原作に、ついに日本版が公開されるのでご紹介したい。

以前、原作も読みましたが、新鮮な気持ちで見られますよ。

日本を代表する俳優の1人、阿部寛さんが主演。そして上映時間98分という、会社帰りのちょっとした現実逃避にぴったりの時間。

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でもね、現実逃避だけではない色々と考えさせられる1本でもあります。

主人公は国民的ニュース番組の『ショウタイム7』の元キャスター、折本眞之輔。キャスターとして一度スターダムにのし上がったものの、今は地味にラジオで、ちょっぴりダルそうにリスナーとコミュニケーション取りながら「あなたは犬派ですか? 猫派ですか?」なんてほんわかなテーマを話してます。

折本の人生に刺激が足りないのは一目瞭然! そんな平凡な日々の中、ラジオ番組に怪しい電話がかかってきます。

電話をかけた人が不満を吐き出し、そして爆弾を仕掛けたと話す。

しかし、そんなことを信じる人はいません。が、すぐに大きな爆発音が聞こえてきます。

「これは本気だ!」と慌てるスタッフと、なぜか交渉人として“犯人”に指名される折本。今、起こったばかりの爆発の犯人はもちろん、ここからさらなる爆発が起きないようにしなければいけないけど、元人気キャスターとしては復帰への絶好のチャンス! スクープを狙いたくなるのは当然のこと。

プロデューサーである東海林(吉田鋼太郎)に言って『ショウタイム7』のスタジオに乗り込み、生放送で犯人と交渉するところを独占生中継する。

折本は慣れた話術で交渉していきますが、そうこうしているうちに犯人の狙いの方向が変わり始め…。

エンディングはひねくれてる!?

これはマスコミやテレビ業界だけではない、どこの会社にもありそうな問題を取り上げています。

今回のプロデューサー役が吉田鋼太郎さんなので、そこのスパイスが最高に効いてます。

また、『ショウタイム7』のキャストの若返りも、どの世界とも通じてる気がします。

それぞれの立場から感じること、そして声だけではまったく分からない犯人と、このエンディング!?

これについてどう考えるか、飲みの席の最高のトピックになってます!

ここで明かせないのはもどかしいけど、私も色々思うことがありました!

結末は、少しひねくれてるかも(笑)。

ショウタイムセブン
監督・脚本:渡辺一貴
原作:The film “The Terror, Live” written and directed by Kim Byung-woo, and produced and distributed by Lotte CultureWorks Co., Ltd. and Cine2000
出演:阿部寛、竜星涼、生見愛瑠、井川遥、吉田鋼太郎、前原瑞樹、平原テツ、内山昂輝、安藤玉恵、平田満
配給:松竹 アスミック・エース
2月7日(金)全国公開

国民的報道番組『ショウタイム7』のメインキャスターとして活躍するも、ラジオ局に左遷された折本眞之輔(阿部寛)。ある日、生放送中に爆破予告の脅迫電話を受けた直後に爆破テロ事件が起きる。犯人は交渉人に折本を指名。第一線に復帰するチャンスと考え、テレビ局プロデューサー・東海林剛史(吉田鋼太郎)を説得して生放送中の『ショウタイム7』に乗り込み、自らがキャスターとして犯人との通話を独占生中継する。だが、そのスタジオにも爆弾が仕掛けられていた。

「週刊実話」2月20日号

LiLiCo(リリコ)

映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。