「中居騒動」で崩壊寸前! フジテレビ新社長にアニメ界のレジェンド・清水賢治氏が就任したワケ



自社コンテンツではなくアニメで再起?

会見で港浩一前社長も認めていたが、フジテレビは“黄金時代”だった80~90年代の亡霊から脱することができず、今なお土曜20時のバラエティー番組を看板にしている。

“アニメ畑”の清水氏をトップに据えるのは異例にも思えるが、ここには狙いがあるという。

「“中居騒動”が起きる前から、フジは人気番組を生み出せずに傾きかけていた。例外なのがアニメで、『ワンピース』や『鬼滅の刃』は他社の漫画が原作ながら、放映権などで堅調に稼げるドル箱でした。昨今、テレビ局はどこも知的財産権を武器に、ドラマなどの二次利用で儲ける仕組みづくりをしている。フジはこれをドラマではなく、アニメで行おうと振り切ったのです」(芸能ライター)

また、フジ・メディアHDの株主構成も、アニメ界のレジェンドである清水氏に味方しているようだ。

「フジ・メディアHDの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行ですが、2位は映画会社最大手の東宝。日本の歴史上最もヒットした映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』では、アニプレックスとともに配給を務めている。今年公開の続編『無限城編』も同様です」(メディアジャーナリスト)

これまでの売りだったバラエティーからアニメに舵を切れば、問題視されている古い体質から脱却したことをアピールできる。

崩壊の危機に瀕しているフジテレビからすれば、清水氏はこの上ない人材だったようだ。

ただ、他所の映画配給会社ではきな臭い動きもあり、どれだけ上手く“ハマる”かは未知数だ。

「先日、ワーナー・ブラザースで“お家騒動”が勃発。米本社が、外部から招いたバディ・マリーニ氏を、日本支社の代表にあてたのです。これに合わせ、それまで営業畑だった上席執行役員の山田邦雄氏が映画事業の統括責任者に就任すると、側近を重用する人事に着手。邦画製作部長に小岩井宏悦氏をあて、前任の関口大輔氏は降格人事の後、懲戒解雇を告げられた。関口氏は不当解雇だとワーナーを訴えました」(映画専門誌記者)

フジテレビはここに遠からず関連しており、映画業界にもパイプを持つ清水氏の動きに注目だ。

「明暗が分かれた関口・小岩井両氏は、ともにフジテレビ出身なんですよ。小岩井氏に接触すれば、清水氏は東宝だけでなくワーナーにもコネを持てます。しかし、冷や飯食らいとなった関口氏が一矢報いようとする動きもあり、状況は混沌としていますね」(同)

フジテレビはアニメの力で立て直しを図れるか。