報酬単価減少で配達員激減! フードデリバリーの雄『ウーバーイーツ』は“脱コロナ禍”で迎えた経営危機を跳ね返せる?

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自宅に飲食店などの料理や飲み物を運んでくれるフードデリバリーサービスの最大手『ウーバーイーツ』の経営が危ぶまれている。

運営会社が2022年と23年の2年連続で赤字決算なうえ、「注文しても配達員が見つからない」「料理が冷めた状態で届く」「1時間待ってキャンセルされた」などといった利用者からの苦情が殺到しているのだ。

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ウーバーイーツが、日本国内でフードデリバリーサービスを開始したのは16年。翌年にはライバルの出前館もサービスを開始し、その後、数社が参入している。

ウーバーイーツのアプリユーザー数は約1550万人(23年6月〜24年5月)、出前館は約1660万人で、競合他社を含めるとフードデリバリーサービスは社会インフラの一つに成長した。

「ウーバーへの苦情が目立つようになったのは、昨年7月に配達員の『報酬アルゴリズム』を改定してからですね」(流通ジャーナリスト)

ウーバーイーツの配達報酬は平均単価500円前後だったが、改定後は300〜400円台にまで減少している。

高額報酬案件も減少で配達員が他社に移籍

「改定で配達報酬が減額された代わりに3000〜6000円の高額報酬案件、通称『くじら』と呼ばれる仕組みが導入されたことで、配達員に『次は、くじらに当たるかもしれない』という期待を持たせたんです。その結果、くじらを狙って低単価の案件を敬遠するようになった。ところが、昨年8月にくじら案件が減少し、低単価の案件ばかり押し付けられる配達員は競合他社へ移籍したり、離職する事態が続出したのです」(50代の元配達員)

配達員不足に陥ったウーバーイーツは、昨年12月から配送料の算定システムの一部変更を開始したが、関係者からは「果たして経営再建につながるのか?」と疑問視する声も上がっている。

「都内のタワーマンション上層階への配達も減っています。注文から配達まで時間が掛かりすぎるから、利用者はメリットが少ないのです」(同)

コロナ禍で急成長したフードデリバリー業界にも激動の時代が到来しつつあるようだ。

「週刊実話」2月6日号より一部内容を変更