“性加害疑惑”中居正広氏が監修した絵本に購入者困惑「偏見を受けそうで怖い」懸念されるキャンセルカルチャー



回収の可能性はあるのか書店で聞くと…

この心配には、かつて姪っ子が受けた偏見・イジメも影響しているそうだ。
 
「弟の子どもが小学生の女の子で、『嵐』や『なにわ男子』のファンなんです。そしたら、一昨年の旧ジャニーズの性加害騒動の時、男子から『あんなの好きなのかよ』『お前もセーカガイ!』といった暴言を吐かれるなど、イジメられたと聞きました。その女の子の弟は女性スキャンダルのあった坂本勇人選手のファンですが、こちらは別にイジメられたりしなかったのに…」(Aさん)
 

複雑な胸中を語ってくれたAさん
だが冷静に考えれば、“現代の焚書”とも言うべきこの動きは、キャンセルカルチャーにほかならないのではないか。
 
本、映画、音楽など、問題を起こした人物の作品が公開中止や回収に追い込まれる事態は度々起こっているが、中居氏もまたキャンセルされてしまうのか。
 
ここで、実際に都内の大型書店で、店員にたずねてみることにした。

まず、中居氏の絵本について聞いてみると、同店には在庫がないとのこと。だが、他店の状況を確認してもらったところ、在庫のある店舗もあるとのことで、取り扱いをやめたわけではなさそうだ。

続けて、回収や絶版の可能性について質問すると…。
 
「あー…確かにそれは…。一応、現段階ではそういった予定はないですね。ただ、これからの動きはなんとも…。個人的な予想としては、回収とか販売中止とかにまで発展することはないんじゃないかなーと思います」(都内大型書店の女性店員)
 
中居氏が引退を発表した翌日の24日、大谷翔平選手の元専属通訳・水原一平被告に、アメリカの検察側が禁錮4年9カ月、大谷選手への賠償金1700万ドル(約26億円)を求刑した。
 
水原被告はかつて、大谷選手を支えた立役者として英雄視され、中学校の英語の教科書などに掲載されるほどだった。

しかし、不正送金事件の発覚以降は、教科書から写真を消されるなど、その存在が“抹消”されている。
 
中居氏もまた、エンタメ分野で優れた功績を挙げたほか、コロナ禍や災害現場での社会貢献が認められ、紺綬褒章飾版まで授与されているが、その功績はなかったことにされてしまうのか。
 
一足先にキャンセルカルチャーが盛んになったアメリカでは、現在、反発による揺り戻しが起きている。

歪んだ清廉さを追求した先にあるのは、歴史修正と文化の退廃であり、最終的には大衆の首を締めるといわれているが…。

取材・文/シンディー・カート