船橋の飲んべえに愛されて65年 『一平』は昼から開いてるオアシス

旬の素材が並ぶ日替わりメニューなど、酒飲みのツボを押さえた料理が豊富。
店名の由来は「ちょっといっぺえ(一杯)」。このエピソードだけで、どれだけいい店か分かるに違いない。年季の入った店構えに、見事なコの字カウンター。船橋の飲んべえに愛され65年、現店主は3代目にあたる。

開店と同時に常連客が押し寄せる。丸椅子に座るや否や酒を頼み、メニューをじっくりと眺めるしぐさは手慣れたものだ。
厨房では女性陣がかいがいしく働く。
まずは日替わりメニューが書かれたホワイトボードを見る。刺し身は魅力的だし、アジフライにもそそられる。 

「船橋は海があるからね。市場で仕入れた魚は新鮮ですよ」 

もう一つの自慢は牛もつ煮込み。口の中いっぱいに広がる深い味わいは酒が進んで仕方ない。前日のタレにつぎ足して作り続けたそれは、まさに店の看板メニューである。 

「牛煮込み豆腐」500円。口の中に広がる牛モツと豆腐の深い味わい。この奥深さは簡単には出せない。チューハイ(230円)がいくらでも進んでしまう。
隣に座った妙齢の女性客はチューハイを頼んだ。年を取るとビールだけで腹いっぱいになってしまう。いろいろ料理を頼みたいならチューハイに限るし、お客さんもそれを分かっている。おいしそうにつまみを平らげ、グラスのお代わりを重ねていく。

帰り道、こんな店にふらっと入れるのは幸せなことだ。ただ、一杯では済まないのがどうにも悩ましい。
一平
千葉県船橋市本町4-42-4
047-422-5122
営業時間:12時~22時30分(月・金は14時~、土曜は21時30分まで)
休み:日・祝 

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」2024年11月7・14日号より