蝶野正洋が負の側面ばかり強調する芸能人スキャンダルに喝! 視聴者はマスメディアに惑わされるな!

蝶野正洋(C)週刊実話Web
テレビを筆頭とする大手メディアは、2025年も相変わらず芸能スキャンダルで盛り上がっている。

悪質な犯罪行為をした芸能人に対しては厳正に処分するべきだけど、俺はその報道の仕方が少しやりすぎのような気がしている。

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若手俳優が酔っぱらってトイレをしようと隣家に侵入してしまい、部屋の住人が110番通報して警察が駆け付けるという騒動が年末にあった。

これは確かに反省する部分もあるかもしれないが、俺からすれば年末年始らしいちょっとした失敗談という感覚だ。

でも、これが深刻なスキャンダルとして報道され、その俳優が出演している映画が公開延期となり、さらにお酒のCMに出ていたので巨額の違約金が発生する事態になった。

仕方のない部分もあるけど、最近のワイドショーは、物事の負の側面ばかり強調している印象があるんだよ。

警察関係者に聞いたんだけど、日本における犯罪発生件数は年々減っているらしい。

だけど、メディアはセンセーショナルな事件が起きると「またも凶悪犯罪が発生」とあおるような報道の仕方をするから、日本の治安がどんどん悪くなっているようなイメージを与えている。

あと、行政が関わるイベントが「税金の無駄使い」と報道されたりすることもある。

開幕まで3カ月を切った『大阪・関西万博』(4月13日〜10月13日)だって、いまだに「中止にすべき」という報道が見受けられる。

もはや開催待ったなしなんだから、ポジティブな話題を取り上げたほうがいいはずなんだけどね。

マスコミは一方向からしか報じないから、受け手側が自分で深いところまで読み取っていくしかない。

年明けには退職代行も大盛況

正月明けの仕事始めには、退職代行サービスの利用者が激増したというニュースが話題を呼んだ。

これに対して「会社を辞めるときくらい自分で言え」とか「ルーズな若者が増えた」みたいな、批判的な意見が多かったけど、代行サービスに依頼するのは、退職手続きが煩雑すぎるというのもあると思うんだよ。

退職するためには、まず直属の上長に相談するのが一般的だと思うが、そこでは「検討する」などと言われたり、引き止められたりする。

しばらくして認められても、そこから課長、部長に話を通していくが、その間に退職の噂が社内で広まって、居心地が悪くなってしまう。

退職代行サービスの利用者は、そういうのがまどろっこしいと感じているんじゃないか。

本来は退職願いを出して、人事の承諾さえ得られればすぐに手続きが進むはず。

人件費や物価が上がった現代で、いろいろな人の承認を得るというコストの掛かる体制は、そもそも“時代遅れ”なんだよ。

退職代行が繁盛するのも、無駄が多くて面倒くさいということだろう。

俺もスケジュールの管理はマネジャーにやってもらっていたが、徐々にシンプルな形に変え、自分で直接やったほうが早いことに気づいた。

会社に新人が入ったときも、社内のシステムを覚えてもらうよりも、実践的な仕事をどんどんやってくれたほうがありがたいと思っている。

『週刊実話』の読者も柔軟に物事を考えて、偏った報道や無駄な慣習にとらわれないでほしい。

「週刊実話」2月6日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。